88:名無しのパー速民[sage saga]
2019/04/20(土) 22:39:15.37 ID:t6lvAVAb0
>>87
【男の了承を確認すると、「別にお返しなんていらないよ」と軽く笑って、女は応急処置に取り掛かるだろう】
【そうして体に触れていれば、必然、男が死人ではないことにも気づく。……なぜだか、ちょっと残念そうだった】
【ずいぶん手慣れた調子で処置を終える頃には、傷の痛みも多少はマシになっているだろうか】
ああ、そういうことか。ごめんね、誤解させて。
神秘を追っていたって意味では、その推理もあながち間違いじゃないんだけど……。
まあとにかく、世を儚んで湖に飛び込もうとしたわけじゃなから安心してよ。
【ころころと楽しげに表情を変えながら、女はそんなことを云う】
【そもそもこんな夜中に人気のない森に踏み入る行動力といい、血や腫れに怯えひとつ見せない応急処置の手際といい、】
【一般的な女性の平均からはだいぶ外れた女のようだ。只者ではない――という表現よりは、単に"変人"と評する方が正しそうではあったが】
……ふふっ。
にしてもキミ、面白い人だね。自分がこんな大怪我してるのにわたしを助けようとしてくれたのか。
そんなお人好しさんが、いったいどんな大喧嘩に巻き込まれてきたのかな?
【いたずらっぽく上体をかがめて上目遣いで男を見やると、女は微笑して質問を投げかけた】
【怪我の様子から、男がなにか人為的なトラブルに巻き込まれたらしいということは察せられたようだ】
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