61: ◆zlCN2ONzFo
2019/04/07(日) 20:37:21.79 ID:ahaa66VV0
【元櫻州軍港】
「ーーッ!?」
「ぐッ!……」
【闇夜であった】
【それは先だっての、氷国海軍艦隊と魔導海軍連合艦隊の戦闘の跡地、まだ幾らも復興は遅れ、戦火の傷痕生々しき場所】
【春の夜は暖かくも、月のない日であった】
【人影が動いたとあれば、途端に苦悶の声を上げて、その場に倒れ伏して】
【そんな事が幾度も繰り返され、そして次にはその場に2人の人影がその身を起こした】
「杉原、妙だな」
「妙ですね軍曹」
【都市用迷彩に身を包んだ、2人組】
【男女の様で、手にはアサルトライフル、腰の弾帯には幾らかの武装を所持して】
【特徴的な程に身長の差のある2人だ】
【足元に転がる数体の死体を一瞥して、暗視ゴーグルを外して会話する】
「こりゃ復興とか死体回収とかじゃねーな、コイツら何か探してやがる」
「探し物なら我々もいっぱいありますがね……でもまあ、取り敢えずの予定時刻までには、掃除も間に合いそうですが」
【海兵であろうか、足元の陸戦用水兵服の死体を蹴飛ばしながら】
【2人は暗い汚れた海を見つめる】
【怪しく不安な夜だった】
【さりとて、この様な場所に誰か来る者がいるだろうか?】
【未だに船や航空機の残骸が所々浮かび、海底には無数の敵味方問わず、亡骸が沈む、この港に】
【訪れる者がもし居るならば、それはきっと、この2人と同じく表には出来ない誰かか、或いは何も知らない無垢な存在か】
//予約の投下です!
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