4:?????? ◆auPC5auEAk[saga sage]
2019/03/23(土) 14:18:41.64 ID:QhqfSCns0
【――――国を越えての情報の伝達は、ネットワークが発達した今の時代、それこそノータイムで成立するもので】
【『コト』が起きてからさほどに間を置かず、『彼ら』は自分たちが、知らぬ間に危うい立ち位置にいる事を、知らされる事になる】
【――――風の国 『導人会』出張所】
――――ジャファー、ジャファー聞いたか!?
「声がでかいぞガゼル……言われずとも、こっちにも報告は届いたって……」
【現在、風の国にて急速に、知名度と支持とを伸ばしている、政治結社。次の国政選挙に名乗りを上げるだろうと、しきりに話題を浚っていた『導人会』】
【その最高幹部の2人――――ガゼルとジャファーは、共に切迫した様子で、顔を突き合わせていた】
……これは、どう考えれば良い? このカード……そうおいそれと切っていいものではなかったはずだが……!?
「言われずとも……相談なしに、こんな危ない橋を渡るもんかい。見ろ……流れの着火点は別だ
恐らく……誰かの描いた絵だな。個人が、こんな詳しく事情をペラペラできるもんかい……
誰かにとって、こっちの「突然の戦闘」によって、事情が変わった。だから、ついでに俺たちに導火線を引いてきた……んなところだろ」
【『外務八課』の存在。朧気ながら、彼らもその情報自体は触れていた。だが、まだ利用価値も準備も無いと、温めていたはずのものである】
【それが、急速にネットワーク上に拡散している。それどころか、その発信源の1つが、自分たちに連なる様な印象を与えるもので――――】
【――――拙速の裏工作が、自分たちに絡みついている。それを理解した2人の危機感は、徐々に煽られていく】
……『戦略・対策部』としては、どうする? こんな流れ、下手に巻き込まれれば、無用な火種だぞ?
「確かに……せっかく大っぴらに、国政に踏み込んでいけるかってところだってのに、ここで足を引っ張られたくはないな
――――けど、考えようによっては、上手い具合に調理できるんじゃないか?」
なに……?
「――――こそこそするから後ろめたいのさ。やるんだったら大手を振って、胸を張って堂々と、だ……
ガヤなんざ使わず、表立ってグイグイ発言してけば良い。そしてヒットしたら……奴らに内政干渉の疑惑ありと、大々的に糾弾するんだよ
後は今まで通りだ……水の国の醜態を踏むな、それは『魔能制限法』だけでなく、『外務八課』の存在も然りだ、と……手札に加えて、終わりだよ……」
【だが――――彼らも、ただでは終わらない。状況が変わったなら、それに対応して、もう1度利用するまで】
【狼狽は、さほど間を置かずに、狡猾にとって代わられていく――――】
――――簡単に言ってくれるな? それを言うなら、こちらの腹も堂々と探られかねんぞ?
「そんなの、今更だろう……? 疑惑なんざ、虚々実々、今まで俺たちにもついて回ってたじゃないか。何も変わらない……
それに……そういう手合いを上手い事調理するのが、お前さん……『広報・実働部』代表、ガゼル=イヴン=カーリマン様じゃないのか?」
……本当に、簡単に言ってくれる……だが、まぁ良い……分かったよ。躓きの石は、向こうに蹴り返してやろう……そういう事だな?
――――それと、この流言の発信源、部下たちに探らせなければな……流石に、そこは押さえておきたい
「あぁ、そこから先は兵隊たちにお任せするよ。俺は情報収集と分析、作戦立案に専念だ……」
【――――彼らのするべき事は変わらない。水の国の醜態を殊更に喧伝し、その危機感の中、風の国を上手い方向に誘導する事――――それだけである】
/いわゆるソロール、絡み不要です
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