334:名無しのパー速民[sage saga]
2019/07/10(水) 22:51:54.25 ID:pvzro5Ex0
>>332
【わりに上機嫌そうな顔をしていた、いっぱいの香りに包まれてしまった瞬間は少し驚いた仕草ではあったけれど、慣れてしまえばなるほど悪くはない、と思えて】
【これがもっと強い香りだったならもう少しぐらい呼吸をひそめたりしたのかもしれないけれど、それも必要ない程度だったから。楽しげに店内に這わす視線が、ふとフィオへ戻るのなら】
――――そういうことを言う人は、誰か他の人が綺麗にしてくれた場所を、それが当たり前だって思って暮らしてきた人だから。
自分でお掃除とかしたことないんだよ、お花のお手入れだって、……知らないうちに、なんか、すごいへんな虫、ついてるするし……。……気持ち悪いようなやつ。
……だから……えっと、とっても、素敵だと思うの。きれいで、素敵なお店。
【「私はそんなに苦手じゃないけど」】
【――あるいは、もっと気の利いた事を言おうとした残骸が"これ"なのかもしれなかった。きれいで当たり前だなんて言う人は、今まで誰かに当たり前にきれいにしてもらっていただけなんだって、】
【だからそんな風な言葉を言うやつがもし板として、気になんてしなくていいとまで言っているつもりなのかもしれなかった。――言葉足らずなのはどうしようもない事実としても】
【お庭のお花が綺麗なのだって努力の賜物だと言いたいに違いないのに。きもちわるい虫の話をしたいわけではないのに。――だから最終的にはちょっとだけ目を逸らしてから、戻し、】
【なんかイイカンジにシメた。シマった?】
そうなんだ、……――じゃあ、それもいつか、分かるといいよね。図書館とか行ったら、分かるのかな。……私、あんまり、本は読まなくて。
お料理の本なら、読むんだけど……。あれは、本っていうか、レシピ――? だから、だめかな――。
――――――――――ううん、大丈夫だよ。ありがとう。ハーブの匂いもね、結構好きだよ。ラベンダーの匂いが一番好き。チョコミントのアイスも好き!
だから、ありがとう。――お外の席は、今度、晴れたときに借りようかな。でも……もうすぐ夏だから、秋ごろになっちゃうかもだけど。
【誤魔化す笑みに、――あまり"その"つもりが強いわけではなかった彼女は、あまり気づかなかったのかもしれなかった。代わりに、いつか意味が分かるといいよね、なんて、】
【図書館に行けば分かるものなのだろうか。言ってはみたものの、自分はあまり図書館とか、行ったりしないタイプだから。――レシピの本を眺めて、そういう使い方】
【だからあまりお役に立てないんだろうけど、――気遣いには笑って返す。曰くラベンダーの香りとか好きだと。チョコミントのアイスも好きだと。――――後者も確かにハーブ、ではあるけれど、】
【――そうして付け加える一言は、――また遊びにこようかなって言っているのに等しかった。今度はお客さんとして。或いは、今度も、になるかもしれないけど】
【見せてもらった中でもいろいろ気になったものもあったし――なんて。そんな折に、紅茶について尋ねられるなら、】
"それ"は、天音ちゃんのお店なら大丈夫。天音ちゃんが毎日死ぬほど見てるから。……って言ってた、お仕事の時は、あんまり、行かないから――。
紅茶は、……――うん、好きだよ。だいたい、なんでも……、いろんな名前はよくわからないけど。
【どうやら件の店にはしなびた草なんてものはないらしかった。雑草すらピンピンしてるに違いない。――それはさすがに駄目かもしれないけれど】
【紅茶についてはだいたい何でも好き、というか、――正しくは、何がどれという紅茶かというのをあまり認識していないらしかった。すなわち、出てきたもの、おいしく頂きます――そういう合図に違いない】
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