【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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331:名無しのパー速民[sage saga]
2019/07/10(水) 21:45:58.83 ID:pvzro5Ex0
>>326>>328

【――――なんだか実態以上に期待させてしまったような気がした、何か述べようとすればするほどにかえって悪い気がするけれど、本当にそんなに特別に上手なわけでもないのに】
【あー、とか、んー、とか、ごくあいまいな声を数度上げて。――何か意を決するような小さな吐息一つ。なんにも言わないことにしたらしかった。もしも振る舞う日が来たとして、】
【がっかりさせてしまったらどうしようかな――なんて今のうちから考えているあたりはあまりプラス思考ではないのだけど。ただやっぱり"シェフ"という単語には、何か、違う感じ、覚えているらしく】
【結構最後のほうまで喉の奥に魚の骨が引っかかっているような、いないような、そんな顔をしていたのだけれど、とは、余談】

――――――――すごい。とってもきれいに手入れしてるんだね、家(うち)は……留守にしてる間に、その……雑草が……。……。たくさん。
だから――いいなあ、次はもっと小さいおうちがいいって思ってたけど、お庭はあったほうが楽しそう。おうちは小さくても、お庭が大きなところ……。

【素敵な場所。どうやら彼女はすでにこの場所をそう判断したらしかった。広々としたお庭を、フィオがあっちへ、こっちへ、草たちの世話のために飛び回る光景すら思い浮かぶようだったし】
【事実としてよく手入れされていること、きっと見たらすぐわかるんだろうから。ひらひら揺れるスカートの裾が千日紅の赤色を一つ引っ掛けて揺らしてしまえば、少しだけびっくりしたみたいに振り返り】
【そのまま腕にぶら下げた荷物の重さに任せるみたいに、もう半回転、またぱたぱたとフィオの後ろをついていくんだろう。ハイヒールの足音もすっかりと慣れたものだから、ようく手入れされた庭先、転ぶこともなく】

リオロ――――……、……――――らしい。

【――そうして招き入れられる店内、扉が開いた瞬間にふわりあふれ出てくる香りは、客人をもてなす人懐こい子犬より余程にぎやかに、毛並みを撫ぜられない代わりに、嗅覚を撫ぜてゆくから】
【けれど彼女はきっとなぜか入り口で立ち止まってしまっていた。元からまあるい眼をもっともっと丸くして、瞬き一つ、二つ、三つ、――それ以前から紡ぎかけていた言葉を紡ぎ終わるまでに、十数秒をかけて】
【(それは別に嫌な態度というわけではないのだけれど、彼女はほんの少しだけありふれた人より優れた嗅覚を持っていたから、少しだけ、びっくりしてしまっていて、)】

【あるいはフィオから見れば、自分の店なのに名前もよくわかっていないのか、なんて、驚いたように見えてしまうのかもしれなかった。――――その意図が絶無だとは決して言えないのだけれど】

――――あ、ううん、いいの――気にしないで。これぐらいのことなら、ほんとうに……いつだって大丈夫だから。
はあい、そしたら――、お言葉に甘えちゃおうかな。…………ちょっとだけ、見ていてもいい? いろんな匂いがして、気になるの。

【そこに、と言われた場所に荷物を降ろして。そうしたら、傘も――どの辺がいい、って聞いてから、そこへ戻すんだろう。そうして両手を空っぽにしてしまうなら、これくらいはいつでも大丈夫って】
【さっきの言葉通りに重たいものは確かに持ち慣れているらしかった。なるほど料理をするなら重たい食材とかもたくさんあるのだし、それで慣れているのかもしれない】
【酒場でもあるというなら、酒もたくさん届いたりするんだろう。とはいえ、ほんとに、その細い中のどこに筋肉をしまい込んでいるのか、みたいなことは、よくわからないけれど――】

【――とかく。片付けに奔走するフィオの傍ら、商品を見ていていいか、なんて、尋ねる声は楽しげであるのだろう。そういう意味ではなるほど確かに彼女だって女の子、】
【ダメと言われるのなら、大人しく椅子にちょんと座っているのだろうけれど。その場合は幾分もほほえましい感じでフィオを眺めたりするのだろうから、やっぱりちょっぴり揶揄い交じり?】

【聞かれる店については、当然教えるのだろう。曰く水の国にある園芸店らしい。ただ何かの専門店というよりかは、本当に、ひっくるめて"園芸"のお店らしい】
【ちなみに件の"天音"という人物の特徴も教えてくれるんだろう。背が大きいらしい。「お靴履いた私より大きいよ」――そしたら余裕で百七十は超えているんだろう】
【「黒っぽい青色の髪してるの」「少しぶっきらぼうかもだけど、怖い人じゃないから」「私が紹介したって言ったら、だいじょうぶ」――等々、便利な(?)情報もしっかりばっちり伝えるから】

/おまたせしました!


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