【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
1- 20
314:名無しのパー速民[sage saga]
2019/07/10(水) 15:50:14.69 ID:pvzro5Ex0
>>313

【初心者が作りさしで飽きてしまったようにでこぼことした空の色、見上げれば明るくとも、いつ降り出すかなんてきっと、お空の上の人しか知らないのなら】
【だからきっとお空の上の人たちだって、空を見上げているのに違いなかった。こんなに晴れるなら水やりをしないと草だって枯れてしまうかしらと思った時に、きっと雨が降るのならば】
【そしたら雲の上だってもしかしたらあんまり晴れてないのかもしれなかった。――――だなんて考えてみたところで、空の色は変わらないし傘は置き忘れたくないし、少しだけ寒いから】

――――――――――――どうしたの、

【――だからきっと傍らに腰を折る気配は、少女がくたびれ果ててしまってから、数分後の出来事。腕の重たさが消える前の、けれど早く戻らねば本当に雨が降りだすかもという逡巡のさなかの頃合い】
【喩えて述べるのなら、ごく鈴の音のように涼やかな声だった。夏祭りの人込みの中ですら聞き間違えようもないような透き通り高い声は、疑いようもなく彼女の性別を伝えてみせて】
【あるいはその前に気づくことも十全に叶うのだろう。――かかとの高い靴を履いているときの足音をしていた。そうして事実まなざしを向けるのなら、一緒に丸くなるようにしゃがむ姿、やはり】

【腰まで伸びた長い黒髪の少女。うんと艶めく手入れの賜物を遠慮なく見せつけるなら、滑り落ちる肌もまたどこまでも白い色、花嫁が纏う衣装の布地より余程白く透き通り】
【あどけなさを手放す前の少女のかんばせ、つんとつって丸いまなこの色合いは黒とも赤とも取れず、あるいは光の角度によって黒と赤との配分を変えて見せる特異な色が目立ち】
【リボン飾りとフリル飾りのやたらと多い衣装を纏っていた。ピンクベージュを基調にしたワンピース。それでも引き締めるべき部位には濃い色をあしらって、せなに滑る髪すらその役割を担うから】
【ふわり膨らむスカートのすそを、――気にしてはいるようだけれど、その先っぽが地面にこすれることについてまでは頓着していないようだった。本当に少女の傍ら、尋ねる距離感にて】
【かかとの高いストラップシューズの爪先がわりにお淑やかに整えられているのが似合うような、それとも気取って見せたような、どちらとも取れる年ごろの、】

手伝おっか?

【――――どちらにせよ、尋ねる声に悪意のようなものは介在しないのだろう。ただ目についてただ気になったのでただ聞きに来たというような顔をしているものだから】
【ともすればありがちな恩を売って得をしてやろうという意識すらないのだと伝えていた、――道端に落ちてたハンカチを柵に乗っけておいてやるような、そういう、温度感】
【故に、否と返せばすぐにでもいなくなってしまうのだろう。その代わり、頼んでみせたら、彼女は間違いなく自分の言葉を遂行するのだと、伝えてもいた】

/ひさしぶりなのでちょっといろいろゆっくりめとかになっちゃうかもですが、よろしければ……!


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/2899.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice