294: ◆Dfjr0fQBtQ[saga]
2019/06/02(日) 19:27:44.59 ID:fZ8c9sPYo
>>293
【閉じた断章の狭間、切り取られた終末の一頁、然れど捲る薄皮細工の袂が揺れる】
【言葉と重なる終止符、縣に託した思いも空しく、溶けた泡沫に塗れる所業】
【 ──── 断罪と呼ぶにはあまりにも脆く、不可逆的な仕来りに従う】
わぁるいわぁるい子猫ちゃん、迷い込んだのは何処の箱庭かしら
手薬煉引いて引き金に括って、しとりと待ちわびるのは乙女の嗜みなの
ねぇそうでしょう、全ては時の赴くままに、本能を翳すには十分よ
【錦糸が綴った天蚕糸の如きか細い旋律は、色を含んだ情念を透かして、乳白色の情景に浸される】
【声色は引き寄せられる、後方から一つ、足音が重なって、緩やかな曲線美を彼女は示そう】
【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性であった】
──── 花は夭折しても尚美しく、曖昧さえも美しく飾るのだから
戯けた手向けも餞も、それまで大した忌みを持たないのでしょう
あら、久方ぶりの戯曲はお嫌い? 都々逸を解さない程風は変わってないのよ、ホントよ?
素敵で素敵なお兄様、貴方の声を聞かせてくださいな
【夜空を指先でなぞったなら、その先に残るのがきっとそんな色をしているのだろう】
【彼女の手は持つ、身長ほどもあろうかと、──── して誰が狙撃銃たる由縁をしって】
【佇む姿は弦楽奏者の如く、銃口を真っ直ぐと彼女は男へと向けていた】
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