【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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29: ◆1miRGmvwjU[saga]
2019/03/23(土) 21:51:30.21 ID:qRStJCCTo
>>28


               【掠れたような銃声が、だが甲高く共鳴した。】


【外套のポケットから仄かな白煙が立ち昇る。黒い風穴が在った。リノリウムに薬莢が転がった】
【1発/2発/3発 ─── 対手の頭部に照準されていた。精確であった。アイアンサイトさえ介していなかった】
【流れ弾もしくは貫徹した弾頭はアトリウムの構造に着弾した。偶然にそこは応力的な脆弱性であったらしい】
【 ─── 大袈裟な罅が入った。辛うじて割れていなかった。人混みの誰かが悲鳴を上げた】



     「 ─── 状況終了。状況終了。」「エコー、デルタ05よりチャーリー37」



【何れにせよ男は転瞬に駆け出していた。 ─── 蜘蛛の子を散らすような群衆に紛れようとしていた】
【その速度はしかし尋常なものであった。乾いた色味の背中を追う事は難しくなかった。または追いつく事も同等に】


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