288: ◆3kDP/Qhan2[sage saga]
2019/05/25(土) 22:32:38.94 ID:1k9/mtJO0
>>287
【ラッピングされたブレンドティーを受け取ると、イストは懐から冊子を取り出して、フィオが話した淹れ方を書き付けるだろう】
【すべて書き終えた後――少し迷って、口元を釣り上げた後、なにかしらを追加で書き込んでいって】
【この素敵な贈り物をくれたお店と、そこを守る小さくも立派な店長のことを。忘れぬように、付記しておいた】
うん、ありがとう。
大丈夫だよ、きっと気にいるさ。キミとこの<LIORO>を、わたしが気に入ったようにね。
いずれまた遊びに来るよ。そのときはもちろん、好きなだけ話をしよう。
そしてキミの話も、もっとたくさん聞かせてほしい。
――フィオ。キミだけの"怪異譚"を蒐められる日を、楽しみにしているよ。
【やがて大筋を書き終えたなら、ぱたりと冊子を閉じ、同じように一寸だけ目を閉じる】
【それは小さな別れの儀式だ。名残惜しさを振り切って、イストはちらりと、なんの称号もないただのヒトとしての自分を覗かせた】
【目の前の少女の中にあって、そしてこれから生み出される"怪異譚"に、ひとりの友人として関わっていけることを願って――】
【「それじゃあ、またね!」と軽く手を振り、イストは店を出ていくだろう。いつの間にか日は傾いて、涼やかな風が吹いている】
【怪異と呼ぶにはあまりにちっぽけなその出会いは――しかし女の胸中に、この風よりも爽やかな"お話"として、確かに刻み遺された】
/長時間ありがとうございましたー!!
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