286: ◆3kDP/Qhan2[sage saga]
2019/05/25(土) 21:41:42.90 ID:1k9/mtJO0
>>285
【イストはどこか遠い目で、頬を染めて目を逸らしたフィオを見つめているだろうか】
【フィオがその心中で父親を思い返すその最中に、イストもまた心の中で小さく呟いた。――家族か、と】
【――もちろん、そこにある虚無と寂寥を表情に出したりはしなかった。ただ嬉しそうに笑う彼女を、母のような眼差しで見守って】
ああ、ありがとう。お茶、美味しかったよ。
……ああ、そうだ。しっかり者の店員さんに、最後にひとつだけ頼んでいいかな。
なにぶんこの手のものには疎いんでね。フィオのオススメの品をひとつ、選んでほしいんだ。
ふふ、よろしく頼むよ。かわいらしい店長さん?
【イストもまた立ち上がると、丁寧にお礼を述べて。そして悪戯でも思いついたような顔で、フィオにひとつ頼み事をするだろう】
【蒐集家であり冒険者――未知と危険の隣り合わせに生きている女だ。適度にリラックスできそうなハーブでも選んでやるのが良いだろうか】
【くすくすと小さな笑いを零して、イストはまたフィオを観た。今度は見定めようとするそれではなく、純粋な親愛に満ちた暖かな視線だった】
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