284: ◆3kDP/Qhan2[sage saga]
2019/05/25(土) 21:04:51.86 ID:1k9/mtJO0
>>283
【ずいぶんとジャンルは違えど、似たような趣味を持つヒトと会えて嬉しいのはイストも同じだった】
【――蒐集家として。いちいちヒトを"観て"しまうその悪癖は相変わらず、心の中でフィオの一挙手一投足を見据えていたけれど、】
【ここまで話してみて、イストはフィオを心を開くに値する人物だと感じていた。こういう素直な"ヒト"が――イストは、好きだった】
まあ、いまのはただの冗談だよ。お店の方もあるだろうしね。
さっきも言ったけど、わたしにはこんな大きな店を守っていくような才能はない。
わたしからしたら、それも「特別な力」のひとつさ。
ここは……お父さんの遺したお店、なんだったか。
店構えを見ていれば、大事にしているのがよく分かるよ。
【フィオの持っているかもしれない"力"について、怪異を蒐めるモノとして興味は尽きないところではあったが――】
【あまり突っ込んで聞くのも"危ない人"になってしまうのでやめておこう、なんて思う良心が、驚くべきことにこの女にも存在したらしい】
【代わりに問うのは――このお店のことだった。この短時間で、イストはこの『LIORO』とフィオがいたく気に入ってしまっていたから】
【――親を亡くした子なんてものは、この異能の世界では珍しくはないのかもしれないけれど】
【フィオを見やる深い闇色の双眸の奥には、たしかに彼女を慮る色合いが覗いている】
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