【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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268: ◆L1hyTPHS6I[sage]
2019/05/23(木) 12:39:36.83 ID:d/TpxLEn0
>>267続きです

【その瞳を見てまるで本能のように理解させられる。"こいつはこの隙に攻撃出来たのに、敢えて攻撃しなかった"のだと。"自分は既にやられている筈だった"と。それに気付いた瞬間半ばパニックになるように少女が避けた方向へとナイフの刃を寝かせ、横薙ぎに払う】
【それは打刀に拠る突きを剣戟の主体としていた新選組の隊士が使っていた、平突きからの横薙ぎの連携のような攻撃。この精神状態の中で即座にそれを選び実践したのはやはりこの男が弱くないということを表していた】
【横薙ぎの斬撃は正確に少女の首を切り裂く軌道を取っており、決まれば頸動脈を悠に切り裂き、首をほぼ切断できる精度と威力を持っていた】

【だがこの斬撃が決まることはなかった。少女の突き上げた蹴りが男の斬撃の軌道を無理矢理捻じ曲げ、腕を上方向へとカチ上げていた。しかし男は"その隙"を見逃していなかった。このような脚を大きく上げる蹴りはその可動範囲の大きさの分、身体に還ってくる反動がありそれが隙となるのだ】
【男の目に希望の光のようなものが宿り、それに併さるように頸動脈を切り裂く袈裟斬り軌道の斬撃が振り下ろされる。少女の首が切り裂かれ、大量の血を吹き出している筈だった――――男の背後で"カラン――――"という金属質の物体が硬いものどうしで打ち合わる音が響く】

【眼の前の少女は血を吹き出しているどころか、一切の変化がない。脚は既に降ろされ、ほぼ直立と言ってもいい構えを取っていた。もう既に理解していた。だが本能が理解することを拒んでいた】
【少女の蹴りはナイフを持つ手を狙撃するように直撃し、ナイフを上空へと弾き飛ばしていた。今響いた金属音はその飛ばされたナイフが背後へと落ちた音だ。そして見なくてもわかる、その蹴りに拠って五指が皆あらぬ方向に折れ曲がってしまっていることに】

お前の能力は完全に無力化された。万が一にも私に勝てる可能性は無くなった

【無慈悲な宣告だった。男の目に動揺が浮かび身を翻そうとした。それは逃走しようとしたのか、それともナイフを拾いに行こうとしたのかは、わからなかった。だがそんなことはもう関係なかった。男の身が翻るよりも疾く、少女の右ストレートが正確に顎先を貫いていた】
【男がその場に項垂れるように崩れ落ちる。正確無比な打撃に拠って脳を揺らされ、完全に意識を絶たれていた。すぐに動き出しそうな様子も一切ない】

【少女は項垂れた姿勢のままの男を見下ろして言う】

ナイフがフラタクルエフェクトの範囲外に当たっていればどこであれ一撃で致命傷だった
模擬戦レベルではなかなか緊張感があったわ

【そして耳に手を当て小さな声で呟く】

指令のあった男を沈黙化させたわ。さっさと回収に来て

【と――――。少女は所持していたワイヤーで近くにあった街頭に意識のない男を括り付けると】

あーお腹へった

【と小声で呟き、その場を後にしようとした――――】


//死ネタはなしで戦闘ロール希望です。
絡んでくださる方いればお待ちしております。



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