243: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/17(金) 20:43:06.92 ID:/SPIJ+VB0
>>241-242
【体型など知ったことではない。そもそも自分だってお世辞にもいい体してるなんて言えないし】
【ましてやあたしたち友達なのに。目一杯オシャレして可愛く見せなきゃいけない恋人とのデート、】
【そんなシチュエーションでもないんだから――深夜にこっそり、部屋着のまま家から抜け出して】
【コンビニでスイーツ買って駐車場で食べちゃうヤンチャも、いくらだって、できるでしょう?】
ありがとうはこっちのセリフ――――やっぱあんた、やさしいよ、鈴音。
【だからわかってる。また何か、言いたいこと我慢してくれていること――わかるから、】
【またごめんなさいって言いそうになるのをなんとか留める。無限ループになりそうだから】
【やさしさに甘えて、話題を変えるのだろう――「ああ、そうね、この際だから」】
あたし、夕月って名前がホンモノじゃないって言ったことがあったでしょ?
教えたげるよ、あんたの名前はみっつとも教えてもらえたんだから――フェアじゃないじゃん。
シグレって言うんだ。時雨じゃなくて、Segulahって綴って、シグレ――、
…………ユーティライネン。こっちはね、ダンナの姓――シグレ・ユーティライネンっての。
【抱きしめあったままだったらさすがに動けない。だから手を繋ぐかたちに変えて、歩き始める】
【二人並んで帰り道、左手薬指の報告はささやかに――していいものか、すこし躊躇したけど】
【きっとあんたなら祝福してくれるかな、なんて、思っちゃったからさあ、――――、】
【――――、】
【「……えっ。は? 何が何だかよくわかってないモノ、料理に使おうとしてたの?」】
【「なにそのチャレンジ精神……」 ならばこいつは真逆だった。イキがってるくせに、実はビビり】
【だけど打ち解けられたら途端に馴れ馴れしくなる、めんどくさいヤツだった。だからお出かけのお誘い、】
【それには乗るけれど(後に「パンダ、思ってたよりゴツかったね……」と語る、けどキーホルダーは買う)】
【次の日のお料理に関しては弱腰になるのだろう。「料理ムリ、ピーラーないと皮むきできない……」】
【――そんな感じであるから、そのうち喧嘩だってするかもしれない。何せお互い気質が違いすぎる】
【ちょっとした言い合いっこから、クラスメイトの仲裁がかかりそうな危ういものまで。きっとする、】
【だけどそのたび仲直りだってきっとできた、だって、好きも嫌いもどっちもあるのが友達でしょう?】
【だから、――――、】
【――――別れの挨拶に何を用いるか迷っていた。「またね」と言えないのはわかりきっていたし】
【「幸せになってね」というのは……無責任が過ぎた。いくら自分が許しても、世界がそうするとは限らない】
【悲しいけれど理解していた。だからきっと「生きてね」というのも微妙に思えたし、ああ、でも】
あたし、――――鈴音と友達になれて、ほんとうによかった。
【――――、こうやって幻覚と現実とが結びつく瞬間って、きっとたぶん絶対にあるから】
【じゃあね、バイバイ、……桜花鈴音。結局は三人分にことばを渡してお別れ――「さようなら」。】
//こんなかんじで……長い間おつかれさまでした、本当にありがとうございました!
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