【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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240: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/17(金) 00:09:19.88 ID:/SPIJ+VB0
>>239

【抱き留める。やっぱりこの靴履いてきてよかったなと思う、だってヒールがなかったらあたしあんたより背が低くて】
【……ああでも、あんたもヒール履いてるから意味ないかな。でも、低すぎるので受け止めるより余程マシ】
【つかまえた。そしたら艶やかな黒髪に、鼻先を埋める――いいなあ。あたしこんな癖っ毛だから、】
【こんなにきれいなさらさらストレート、憧れちゃってやまないよ。(それでもそんなの関係ないってきっと言ってくれる)】

【細い背を撫ぜると、背骨がひとつふたつみっつ――きちんと並んでるのがわかるから】
【だから誰にも文句なんか言わせない。あたしもこの子もここに居て、それはなんにも間違いじゃない】
【確信して目をぎゅうと瞑るなら――彼女の目からも涙がこぼれた。拭わない。二人ともにそんな、余裕なんてない】

うん。――――――うん。いいよ、なんにも、怒ってない。
ホントだよ、ねえ――もうあのヴェール、誰かにあげようとしたりしてないんでしょ?
そうだったら、それだけでいいよ。……あげてたら怒るけど、ふふ…………

【精一杯に抱きしめ返して返す言葉は、やっぱり何かずれていた。でもそれでいい気がした】
【もう一回それ被ってきてよ、なんてのはさすがに我儘がすぎるから、言わないでおいて――何度も何度も】
【あやすように背中を叩く。そのたびいいよって返す、馬鹿げた大人の儀式だとわかっていて】
【だって本当に怒ってないから。あんただってきっと、怒らないでくれていたんでしょう? わかってるよ、知ってるよ】
【あんたは勝手にやってたことだと言うけれど。そんな勝手な行動でも、確かに誰かが救われてたの】

【 「――――なに? それ何語の本なの、ちゃんと読めてる? 翻訳アプリ探してあげよっか」 】
【 けだるげな声は一瞬だけでもあんたを怯えさせてしまうだろうか。だとしたらばつの悪そうに、視線、逸らすから 】

いいよ。あたしは白神鈴音の全部を許す。だからね――――――

【「あんたには、あたしのこと、見ててほしいな。さいごまで」 ――はいこれ、って言いながら差し出すスマホと似たような気軽さで】


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