215: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/15(水) 01:35:26.72 ID:h4jMUaMU0
>>214
そう、ゾンビ。死んでから生き返ったの、……神様に喧嘩売るようなやり方で。
だから本当だったら神社もお寺も教会も全部ダメなんだけど――鈴音がいっとき許してくれてるのかも。
【ならばそれ以上のことは語らないのだろう。無駄でしかないのだから。閉じる唇、きっと何かを考え込んで】
【「死んじゃった」「大好きな人に」「会いたいって」「いうだけで」――誰かのことを思い出していた、けれど】
【そいつこそ正に神様に喧嘩を売る人だから、口にはしない。ゆるり首を振って、――跪いたまま】
【そうして何にも解決していないことを思い知る。鈴音はきっと罅割れたコップなのだとずっと思っていた】
【だからその罅を接着剤でくっつければ、中に注がれる水だっていつか零れることがなくなる、って】
【そう思ってたけどそうじゃなかった。罅なんかじゃなくて、底が丸ごと抜けていたのだと知る。そうしてそこに】
【いつか満たされる、満たされるのだと信じてやまない無慈悲な水だけが注がれ続けていたことを知って、】
【やはりこいつは泣くんだろう。気付けなくってごめんなさい。謝る資格もないのに、それしかやはり、できないから】
【持ち上げられる顎の角度は決して美しくない。美少女の丸みも、美女の真っ直ぐな鋭角もそこにはなく】
【こいつはそもそも美しい子ではなかった。だから泣けば、不細工な顔がさらにひどくなっていた。けれど】
【それを見られるのが恥ずかしいからって逸らすことは許されないと知っていた。だから、縁まで真っ赤に染めた目にて】
――――――――ううん。それは、できない。あたしは鈴音ではないから、……、
まだ世界が好きなの、でもね、……あのね、鈴音にだけは聞いてほしいんだ。
あたしのことね、世界で最初に助けてくれた人がいる。でもそいつは悪いヤツなの。
世界中のみんなから死を願われる、地獄で呪われ続けることを願われる、それくらいに悪いヤツ――
だけどあたしのことを助けてくれたことは絶対に、変わりのない事実だから、
あたしは、――――その人を守るために世界にケンカ売るの。滅ぼすまで行くかな、どうかな……
わかんないけど。……そのためにね、悪いことするよ、だからね、
【「鈴音だけはあたしに (不明瞭な声のくぐもり)(応援して/赦さないで/祈って) いてほしいの」】
【――――なんて言ったのかきっとわからないしわからせない。だけど鈴音なら、白神鈴音ならば】
【この気持ち、きっと「理解」してくれるって、これもまた勝手な願いを込めて/ヒトはそれを信仰と呼ぶのだろうか】
【それだけ言ったら立ち上がるのだろう。懺悔は終えたし、これからすることも伝えたし。きっと置いていくもの、たぶん、ない】
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