18:ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk[saga sage]
2019/03/23(土) 18:06:53.32 ID:QhqfSCns0
>>17
<……やっぱり、な……>
…………
【その反応を、傍から見ていれば、実に分かりやすいものだったのだろう。『リベル』――――現在は『ランド』の人格だが――――は、静かに頷いた】
【それを、ブラックハートも理解して。すぐにその紙を握りしめて、手を下ろす】
あぁ――――この国の、大物と手を組んで、上手い事その子を誘拐して、その『大物』に言われるままに、道具に仕立て上げちまったんだよ……ッ
あたしゃ、アーディンの旦那があんなにキレたの、見た事ないよ……
【自分たちの身に何があったのか、それをブラックハートは、知ってる限りに話していく】
【つまるところ、ブラスフェミアと言うその女は――――アーディンにとって、シャッテンにとって、不倶戴天の敵と化したのだろう】
【それこそ――――ラベンダーにとっての、アルクにとっての、鈴音の様に】
ッ、夕月……あんた…………ッ!
【被りを振る夕月の言葉――――それは決別の文句だった。ブラックハートは、やはり低い声で唸る】
【夕月の中に何があるのか。それは当然、今日初めて会ったばかりのブラックハートには分からない】
【分かるのは――――夕月は、その本心を明かす事は出来ないと決意し、そしてその『本心』に従い、自分たちと決別しようとしている、その事実だけだ】
――――夕月、違わない…………違うなんて、事はない!!
【渡された、アルクの形見。その中身は分からないが、ともあれ、ブラックハートの中に、それを叫ばずには居られない衝動が、込み上げてきていた】
【またも、無理をしながら歩きだそうとしている夕月の姿を前にして――――その衝動は、もう抑えが効かなくなっていたのだ】
――――自分の意志だからって、言ったな……? そりゃ、あたしも同じ事だ……同じなんだよ、夕月……ッ!
そりゃ、無理やりさ……無理やり、あたしゃ戦わされてた。でも……あたしゃ、別に嫌だなんて思っちゃいなかった!
――――あたしゃ、『人間』なんざ大っ嫌いなんだ……! 今も、正直言えば、それは変わらない……! 無理して、押さえつけてるだけさ……ッ!!
……両親はあたしを売り飛ばしやがった。友達は、あたしを嘲笑いやがった。機関はあたしから『人間』を奪っていったッ!
だから、あたしゃ……『人間』なんか大っ嫌いだった。どれだけ殺しても、飽きるなんて事は無かったんだ!!
気持ちだけが、己の道の全てじゃない!! あんた、そんな辛そうな顔で、旦那やラベンダーに「殺してやる」なんて言えるのかよ!?
【思いの丈を、それこそぶちまけるというに足る勢いで、ブラックハートは叫ぶ】
【――――自分の中の黒い火は、未だにくすぶり続けている。その中で、それでも自分には道がある】
【なぜ、夕月は違うなどと言えるのか。そして――――そんな状態で、どうして選んだ道に後悔しないなどと言えるのか】
【追いはしない。だが、その言葉を叩きつける。ブラックハートは、苛立ちとも辛苦とも取れない何かに、突き動かされていた】
/すみません、飯行ってくるので、次遅れますー
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