146: ◆rZ1XhuyZ7I[saga]
2019/05/04(土) 18:47:35.00 ID:/q2u4W020
>>145
『たった一人になっても組織の意思を継いで戦い続ける、素晴らしいじゃないか。』
『私は―――さぁ、今はどうだろうね。』
【ギアの問いかけには自分自身でも決めかねているような曖昧な回答をする。】
【何とか三体の異形を掻い潜れば、再び客室が並ぶ車両へと到着する事になる。】
【足早に駆けながらオッツダルヴァは視線を一度窓の外へと向けて、そして立ち止まる。】
【まるで狼のように鋭いその眼は黒くそびえる山脈の奥を見つめている。】
『見て見ろ、どうやら我々は悪夢の中へと迷い込んでしまったようだね。』
【オッツダルヴァの視線の奥、黒い山脈の奥に見えるのは巨大な山?いや、違う】
【それは巨大な生物の影だった、巨大と言っても山脈より巨大なのだ、もはや常識の範疇ではない。】
【鞘形類のようなその大きな影は身体から伸びる幾つもの触手をうねらせて深い霧の中へと消えていく。】
【その異常をあまり長く眺めてしまえば精神、魂に汚染が生じるかもしれない。】
『さて、どうやらこの先が先頭車両のようだ。いいかい?』
【そうこうしているうちに一行は先頭車両へと繋がる扉の前にいた。】
【オッツダルヴァはドアノブに手をかけながら視線を後方に流して問いかけた。覚悟はできているかと】
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