【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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141: ◆rZ1XhuyZ7I[saga]
2019/05/04(土) 17:06:36.06 ID:/q2u4W020
>>139>>140


【少女が放った硬質化した水は異形の胴へと突き刺さり、動きを止める。】
【無数の水の槍が突き刺さった場所からは赤く煮えたぎるような液体が止めどなく溢れる】
【―――だが、確かに異形の動きは止った。】


【ガキンッと、まるで岩石にでも剣を突き立てたかのような感触がギアの手に伝わるだろう】
【だが確かにサーベルの切っ先は異形の首へと突き刺さりその動きを止めていた】
【―――異形はガクンと身体の力を失うと、その場に崩れ落ちてピクリとも動かなくなった。】


『見立て通りだな、二人とも良い動きだ』


【そして先程声をかけた人物が姿を現す。】
【鉛色の腰まである長髪に銀色の瞳をした20代後半、身長180cm程の男だ】
【全身は飾緒や勲章が幾つも装飾されたネイビーのコート型軍服で包まれており、右手には一振りの騎士剣が握られている。】
【奇妙な事にその左半身は手も顔も肌が水銀のような銀色に染まっており、光沢を放っている。】

【男はつかつかと二人の間へと進むと、満足げに口元を緩ませる。】


『―――だが、どうやらこの異変≠フ源はまだ消え去ってはいないようだ』
『この列車が異変に包まれたのか、それとも』

                  『我々≠ェ異変へと呼ばれたのか』


【男はそう言いながら床へ転がる異形の亡骸から襤褸切れをはぎ取る。】
【異形の顔面はまるで卵の殻のように剥がれ落ち、その下は暗黒が広がっていた。】
【無貌の異形―――それはギアの予想通り乗客が変貌したのもなのか?それとも】

【『キミは心当たりはあるかい?』】
【男は少女へと視線を向けて、感情の籠っていない瞳で見つめる。】

【そうして少女の返答を聞き終える前に進行方向の車両へと進んでいこうとするだろう。】
【ついていくか、ここに留まるか―――新たな選択が生まれた。】



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