【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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130:名無しのパー速民[sage saga]
2019/05/04(土) 13:49:43.26 ID:hplBwCVT0
とある桜の木の下で

【春は過ぎたことを彼女はやっと思い出す】
【ただ鮮やかな空に無理やりねじ込ませたみたいな葉桜がその身を風に任せて笑ってくるーー来るには遅かったねと言うように】
【花びら一枚すら残っていない見事な緑が深海の瞳に映るーーでもけして残念そうではなくてーーその姿もまた桜の木なのだと、桃色の唇がふわりと緩む】
【幾度となく踏まれたであろう木の根元の雑草に配慮するように彼女はそこに立っていた】
【陽に晒された髪は天の川みたいにキラキラ輝いてーー薔薇の髪留めがするりと滑るくらいに柔らかでーーそれに同調するように新芽色のワンピースがしゃらしゃら揺れた】
【彼女の気配に気づいた日向ぼっこ中の黒猫がその服と同じ目の色を丸くして逃げ出した】

あ、ごめんなさいーー

【ーー驚かせてしまって。しかし、もう遅い】
【黒猫の背中を見送ったら彼女はもう一度葉桜を見上げたーー葉の隙間から容赦なく刺す日差しに目を細めた。それを別れの挨拶とするように】

ーーまた来年来ますね

【そう、唇が動いたように見えた。ベージュの肩掛けバッグの紐を握りしめて彼女は木に背を向けた】
【ーー瞬間。つやりと薔薇の髪留めが音も立てずに地面へ落ちた】
【風も止んだ今彼女は落し物に気づかないーー】
【このままでは大切なそれに気付かず彼女はこの場を去ってしまうーーしかし誰かが気付いてくれれば、或いは】

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