10:ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk[saga sage]
2019/03/23(土) 15:33:03.01 ID:QhqfSCns0
>>8
……色々訳ありでさ。あたしの身体、ほとんどがニセモノなのさ……
ま、生きてるだけで儲けものだから、今更そんなに気にしちゃ、いないんだけどね?
【夕月の機微から、ブラックハートは自分の体に、夕月がまた、何らかのショックを受けたらしい事を理解したようだった】
【苦笑しながら、黒鋼の腕で、金属繊維の髪を掻き撫でる。流石に、間接的に面識があったとはいえ、初対面の人間に対して詳らかに話す事でもない】
【ただ、自分は気にしていないと笑ってごまかすのが、精一杯だった――――夕月の方にも、事情があった事など露知らず】
(……流石に、メンテナンスも……限界が近いかもしれない。あたしゃ、くたばる前に……何が出来るってんだろうね……)
【そして、ブラックハート自身はと言えば、既にいつ死んでもおかしくない環境に身を置いている】
【表層を取り繕いながら、ふと心に陰が差さる。生き延びた事の意味を、なす事はできるのだろうかと】
あぁ……ちょっとあの旦那の『裏』に触れる事だし、ほら……今色々ときな臭いじゃないか、櫻州とか色々と、ね……
何とかしなきゃいけないのさ。だから……命を張る事にも、なるというか、ね……
<……本当は、『UT』にお世話になってるんだけど、私たち……アーディンさんが、気に掛けてくれたから、お手伝いをしてて……>
{(――――可愛くなってきたんじゃない? 初々しいランドちゃん?)}
<(うるせえぞルヴァ! お前後で覚えとけよ!?)>
【ケースについては、微かに仄めかす程度に抑えた。聞いている『敵』――――彼女のやり口なら、こんな会話からすらも、糸口を掴まれてしまいかねない】
【ただ、1つだけ言える事は――――ブラックハートとリベルもまた、戦っているという事だろう】
え……あぁ、大丈夫なら……――――ッ?
……夕月、あんたすっかり参っちゃってるじゃないのさ! 今は無理ってもんだ……リベル、少しばかり……!
<ま、待てよ! あぁ、いや……ちょっと待ってよお姉ちゃん! 『これ』は……!?>
……放っといて良いものだったら、放っとくさ……そうはいかねぇだろ、リベル……! 夕月、ちょ……――――ッ
【そのまま去ろうとする夕月を、釈然としないままに見送ろうとしていたブラックハートだが】
【そのコンディションが、想像以上に悪い事を悟り、思わず駆け寄る。同時に、明らかにリベルの言動が乱れるが】
【それよりも――――何か、意地を張ってる様な夕月の態度に、ブラックハートは唇を噛み締めた】
――――あたしに話せないなら、ラベンダーを呼ぶよ。あいつなら、なんか話してやってもいいんじゃないかい……?
【夕月の頑なさに、ブラックハートはラベンダァイスの名前を出す。もう少し、気心の知れた相手なら、という事なのだろう】
【そうして、通信端末を取り出す。このまま、夕月を放っておくつもりはない様だった】
……なんだ、なんかバズッてる……?
【連絡を入れるかどうか、それを勘案しながら端末を取り出したブラックハートは、通知に気づく】
【――――恐らくは、夕月の見たそれと同じ情報が、ブラックハートの下に届いているのだろう】
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