´ω`)ノ こんぬづわ11
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413:読書[sage]
2021/01/24(日) 18:01:17.39 ID:KUUTE8HJ0
C■~ *齊藤政明「奥浩平がいた 私的覚書」(社会評論社 2017年)

☆RED ARCHIVES03 第4弾「高田裕子のバラード」同様、表題の人物ではなく著者の自伝もの。離党の経緯及び、その後をもっと詳しく描写してほしかった。

100 ブル新
 「本多さん、共産党員は、『朝日』や『読売』のようなブル新(ブルジョア新聞)は読む必要はない、『赤旗』だけ読めばいいと言いますが、どう思いますか。資料や勉強になる記事もあるので、僕にはどうも釈然としないんですが」
 「共産党は逆だね。『朝日』や『読売』は数百名の記者がブルジョアジーの考えや動向を追っている。だからそれらの新聞は、我々がブルジョアジーを分析するうえで第一級の資料になるんだよ。むしろ、じっくり読むべきものだね」

101 共産党党内論争
奥「田川(和夫)さんが言ってたよ。共産党の常任たちはすごく保守的だって。党内論争になると、反主流派になることをすごく恐れる。常任を解任されるかもしれないからね。常任費を貰えなくなる。生活のことを考えて意見を言わなくなったり、どちらが主流派になるか様子見したりする。常任費を貰うのは、だから問題なんだって」

176 赤軍派
 それにしても出入り自由の(九工大)自治会室で、しかも初対面の執行委員に、蜂起なるものの決行と予定日までを明かすとは…。そのあまりの無警戒ぶりに事の真偽を測りかね、彼の言葉は誰にも伝えず胸におさめた。
 この日から数日後、赤軍派が日航機「よど号」をハイジャックしたと知った。その実行犯として報道された顔写真の中に、自治会室で会話したと思しき人物を確認できた。武装蜂起とはこのことだったのかと厳粛な気持ちにはなったが、彼が期待する「その後は革共同がやってくれる」というような情勢の展開につながる行動とはとても思われず、テレビに映る彼に「グッドラック」と言葉をなげかけただけであった。

177 共産党学生組織の瓦解
 この頃(1970年春)の共産党の学生組織は、共産党中央による学生指導部への粛清で全国的に崩壊状況に陥っていたのである。70年当時、公称3万と言われていた実質2万人の民青同盟員のうち、半数の1万人が党中央による学生幹部の粛清に疑義を示し離反したという。
 七〇年の安保闘争時の学生運動世界に共産党の姿が見えなくなった真の原因と若手党員の大規模な離党の実態を、半世紀近くの時を経て、手塚との出会いと彼の死を通して初めて知ることができたのであった。

211
 「本多さんは物事を楽観的に見る方ですか」
 「いや逆だね。悲観的に見るね。何事をやるにも先ず最悪の結果を考える。そうすると、どんなことがあっても慌てずに対処できるからね」

237 似た罪
 革マル派が言うところの中核派の誤爆に関して、中央との会議から戻ってきた労対が二人だけの折に、本多書記長が語ったという奇妙な見解を紹介した。
 「本多書記長は誤爆について、『似た罪というのもあるのだ』と述べた」と言うのである。攻撃対象にあまりにも似ているために誤認した。その場合は、風貌や容姿が対象者に似ている人間が悪いのであって、攻撃した我々に非はない、ということのようである。
 それを聞いて、攻撃を担った当事者を思わずにはおれなかった。日本の革命に寄与すると、意を決して鉄パイプを振り下ろした相手が、革マル派とは縁もゆかりもない市井の人間だったと知れば、自分のなした行為は一体何であったかのかと思い悩むであろう。本多が語ったというこの主張はあまりにも政治的であり、人に言えたものではないと思って胸におさめた。

311 新左翼の党内闘争
 この新左翼全般の現状をどう見るべきか。学生時代に革共同幹部の陶山が、「世の中が平穏で安定した時期になると、学生運動は分裂と党派闘争に入る」と話したことを思い出した。
 彼の言葉は、六〇年安保闘争の終息後に始まった、ブント(共産主義者同盟)の党内闘争、分派による一部の革共同への合流、そして六三年革共同中核派と革マル派への分裂、それらをくぐった体験に裏打ちされたものだけによく理解できた。
 陶山の言葉を裏返せば、七〇年の学生運動の主役を務めた新左翼が党派闘争、分派闘争、党内闘争の激化の渦中にいる七二年頃から、世の中は安定期に入っているということであり、実態からしてもその通りであった。


*別冊宝島編集部ほか「『アベ友』トンデモ翌列伝」(宝島社 2018年)

☆まぁ、御用文化人を知るには役立つかな。


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