【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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304:さや ◆0j8YIq7DEniB
2015/05/13(水) 20:55:31.84 ID:NQ6tM4gHo

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11月某日


吹き荒ぶ木枯らしが窓を叩き、がたがたと揺れていた。
やがて揺れは治まり、代わりに風音だけが聞こえてくる。
晩秋の夜は身に染みるように寒いのだろう。


その寒さを嘲笑うかのように、この部屋はいつも暖かい。
仄かな香りが微睡みを誘い、何度誘惑に負けたか数え切れない。
きっと魔法がかかっているんだ。
一生かかっていたい幸せな魔法か。


「大好き」

聞こえるか聞こえないかくらいの小声で囁いた。
たぶん聞こえていない。
こんなに近くにいるのに。

静かに身体を動かして、そっと彼に重ね合わせる。
触れ合う肌は体温以上の温もりを感じ、首すじにかかる吐息が少しくすぐったい。
深く息を吸い込めば、彼の香りに身体中が満たされていく。
どれもが心地よくて、このままいつまでも溺れていたいなんて、つい自堕落に考えてしまう。

だけど、もうすぐ終わりが来る。




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