【桜咲く】変態臭が夢うつつ【髪散り乱れる】
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658:名無しのパー速民[sage]
2016/02/03(水) 01:02:42.96 ID:FPM6J7Vzo
留置所で迎えた二月のある日
金を使い果たした後の離婚、罪滅ぼしに歩いたお遍路
テロップに流れる逮捕の速報、どこからか聞こえる「彼はやってるって思ってたんです」の声
世間がベッキーのことを忘れ清原の話題に夢中な中、当事者の清原は独り留置所で泣いていた
現役時代に手にした栄冠、喜び、感動、そして何よりちやほや囃し立ててくれるファン・・・
それを今の自分が得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」清原は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、清原ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい牢屋の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、相談していた弁護士と話をしなくちゃな」清原は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、清原はふと気付いた

「清原、釈放だ!」
牢屋から飛び出した清原が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにライオンズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする清原の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「清原、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った清原は目を疑った
「あ・・・秋山さん?」  「なんだキヨ、居眠りでもしてたのか?」
「く・・・工藤監督?」  「なんだ清原、かってに工藤さんを引退させやがって」
「伊藤さん・・・」  清原は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:辻 2番:平野 3番:秋山 4番:清原 5番:デストラーデ 6番:内川 7番:石毛 8番:伊藤 9番:田辺
暫時、唖然としていた清原だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・試合に出れるんだ」
鈴木健からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する清原、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・



翌日、留置所で冷たくなっている清原が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った


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