【安価とコンマでkey作品っぽい設定集を作る】【作品を書くのはそのあとで】
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31:うみ ◆iWUeJQZyWI[saga]
2025/04/29(火) 20:50:06.00 ID:fFF8ijCt0

黒上「なんでだよ、どういうことだよ、俺が何をしたってんだ畜生!!」

黒上終御(くろがみ しゅうご)はクソッタレぇ!! とばかりに襲いかかってくる最新鋭の警備ロボット達から逃げ回る。逃げ回ると言っても、それは随分とアクロバティックな物だ。
時に前方にある廃材を利用して障害物を瞬時に創りだし、時に壁を垂直に蹴って高所へと移動。それでも追ってくるしつこい追跡タイプのロボットは機動する際に重要な部分を『相棒』で打ち抜く──先の人類史の英雄達がそれを見れば『中々の物だ』と褒め称えてくれるだろう。

ああ、これも安易に人助けなんかしようとしたから起こった事なんだろうか。それともいつも通りの「不幸」なんだろうか──そんな事を考えている内に、昨日の出来事が思い返されてきた──


『割の良いバイトがあるんだ。違法施設内に侵入して情報を掠め取ってくるミッション系の仕事なんだけどさ』


幼なじみで同級生で露出狂の疑いがある(即頭の上に大きな石を落とされたので、それ以降は一度も口に出してはいないが)天才マジシャンからそう誘われた時点では、まだ自分は正気を保っていた筈だ。──そのバイトの給料と、追加の報酬を見るまでは。


黒上(『まるまる一学期分の「囚職活動」がチャラになるよ?』──なんてどう考えても危険度MAXの囚職に決まってるだろうが……!!)

それも、施設内の警備ロボのほぼ全部が黒上を狙ってくる辺り、事前に色々と仕組まれていた可能性が大だ。あんの実はとても可愛らしいところがあるクソガキ野郎、明日会ったら絶対に問答無用でセクハラ攻撃しまくってや──!!



「なんだよ、仮にもオレのライバルなんだからこのぐらい楽に蹴散らしてみせろよ」



黒上の前からそんな声が聞こえてきた、すぐ後だった。突如として黒上のいた場所とその延長線上が、炎で出来た巨大な二角獣(ベヒーモス)の突進で消し炭にさせられる。……ただの炎ではない、術者を打ち破るかその力を消し飛ばすほどの巨大な質量をぶつけない限り何度でも蘇り続ける神秘の炎だ。当然、巻き込まれた警備ロボット達はただではすまない。文字通りの意味で、纏めて炭になってしまった。
「うげぇ……」と、二角獣の攻撃を受けても『何故か無事だった』黒上は苦虫を噛み潰したような顔で前方を見る。


黒上「いい加減にしてくれよ……。お前は俺に何の恨みがあるんだよ……」

黒のワンピースに白いマント。胸元に煌めくは『超特別囚人』の証である『ダイヤモンドバッジ』。見た目はどう見ても愛らしい幼稚園児だが、なんと自分と同い年の、これまた天才サイキック少女。名前を坂之上天子(さかのうえてんし)──ドロップアウト囚団『サラマンダー』のボスである。


天子「何の恨みがあるって言うか、お前がオレを一方的に避けてるんだろ」

黒上「だってお前と関わるとロクな事ないんだもん! それとお前の夢や価値観を馬鹿にしたり笑ったりする気は微塵も無いけどオレをドロップアウト集団の一員に加えようとするのは頼むからやめてくれって!! こちとらロクなスキルも無い──」


ゴウッ──! と、問答無用とばかりに今度は炎で出来た津波が襲いかかってきて、追撃してきた第二段の警備ロボを黒上ごと飲み干した。──相も変わらず、黒上にダメージはない。


黒上「…………」

天子「……で、そんなスキルも何も無い……それも囚人であるお前が──何で『ムーンキャンサー』の一つを持ってんだ?」

『ムーンキャンサー』直訳すると『月の癌』だが、この場合は異なる意味を持つ。『アルテミスの弓』『ゼウスの雷霆』『アテナの神槍』──『月の裏側』にあった、古代文明を象徴する七つの武器達。神代と呼ばれる時代があった事を証明するとされている超古代兵器──黒上が持つ真紅の剣は『アレスの剣』。敵意ある物、害意ある物、所有者にとって危険が及ぶ物のみを選択してズンバラリンと斬る事が出来る、まさしく必殺の剣だ。……が、あくまで所有者である黒上は無敵でも何でもない。剣以外の場所に攻撃があたれば、当然ダメージを受ける。……先ほどのベヒーモスも、炎の津波も、剣を大きく振るってその効果範囲を広げなければ間違いなく死んでいた。


黒上(やっべぇぇえええええええええ!! あのバカ親父に『制空剣』って奴を教わってなかったら一発目のベヒーモスで死んでた!!)

天子「上のお偉いさん達もそうだが下の……地球の『清浄なる方々』って奴らもお前がその剣を持ってるのが予定調和って雰囲気を醸し出してやがるし、お前の周りは色々とキナくさいんだよ。もしかしなくてもオレの目的を達成するのに役立つかもしれない」

黒上「……だから?」

天子「お前を今すぐオレの囚団の一員にしてお前の事を色々と調べたいんだ。報酬は、オレとの婚約……でどう?」

ふふん♪ と自信満々かつ扇情的に言う天子に黒上は「ふっ……」と笑って──



黒上「……悪いけど、俺に幼女趣味はねぇんだよ。合法ロリペド女」

そう言い切った。その直後、太陽を模したような大規模な火の玉が黒上の真上に降ってきて──




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