もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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[sage saga]
2024/11/01(金) 19:58:44.53 ID:4JAHijIv0
◇村はずれ
フリーレン「さて、少し厄介なことになったね……」
フェルン「魔族が村に馴染んでいるということですか?」
フリーレン「それもある。村長の家に案内してくれた人の態度が気になってたんだけど、相当上手く取り入っているんだろう」
フェルン「村人を魔物から助けて、その村人の家に泊められているということですからね……」
シュタルク「けど、なんでまたそんなことしてるんだ? 普通の魔族ならとっくの昔に犠牲が出てるだろ」
フリーレン「犠牲が出ていないと思い込んでいるだけかもしれないよ」
シュタルク「? どういうことだよ」
フリーレン「こいつは村人を洗脳してる。すれ違った数人から、例外なく魔法の気配があった」
フェルン「! 本当ですか? 全く気が付きませんでした……」
フリーレン「私も気付いたのは村長と真向いで話していた時だ。傍を通るくらいじゃ気付かないくらい残留魔力が小さい」
フリーレン「大魔族らしい、高度に洗練された魔法だよ。解析中だけど、おそらく精神操作魔法に近い物だろう」
フェルン「アウラの≪服従させる魔法(アゼリューゼ)≫のような?」
フリーレン「たぶんそこまでの強制力はないんだろうけど、だからこそ怖い部分はあるね。操られていたとしても、本人も周りも気付けない」
フリーレン「村に溶け込んでいるっていうのもこの魔法の影響だろう。全村民からの警戒を解くのに一週間は短すぎる」
フェルン「気付いたら洗脳されてるというわけですね……すでに何人か犠牲がでているかもしれませんが、認識を歪められた村人はそれに気付けないと」
シュタルク「おっかねえ……先に気付けたのはラッキーだったな」
フリーレン「いや、おそらく先にこっちの存在に気付いたのは向こうの方だ。フェルン、魔族の位置を探知できる?」
フェルン「……いいえ、全く。感じられるのは大きさからして村人のものと思しき魔力だけです。向こうはこちらに気付いて潜伏しているということですか?」
フリーレン「そうとしか考えられない。普段から魔力を制限する魔族なんていないからね。ちなみに私にも探知できない」
フリーレン「となると、向こうはこっちに気付かれずに魔力探知をして、私たちが近づいてくるのを知ったんだろう」
フェルン「フリーレン様に気付かれないような魔力探知に潜伏……大魔族なのは間違いありませんね」
シュタルク「でも、向こうの方が先に気付いたって言うんならなんで姿を見せないんだ?」
フリーレン「さあね。不意打ちをするタイミングを計っているのか……洗脳の魔法は一度にひとりずつしか掛けられないとか、何か条件があるのかもしれない」
フェルン「強制力がないなら同士討ちはないにしても、魔族を危険だと認識できなくなるなら手も足もでませんね……」
シュタルク「フリーレン、どうするんだ?」
フリーレン「おそらく、向こうはこっちが村人の洗脳に気付いたことまでは分かっていない」
シュタルク「なんで?」
フェルン「村長や村人をけしかけてこないから……でございますね?」
フリーレン「正解。魔法で村長の敵意を煽れば私たちを追い出すこともできた筈なのに、それをしなかったのはその方が自然だからだ」
フリーレン「辺境とはいえ、大陸魔法協会の名前は届いている。魔族を庇って1級魔法使いに逆らおうなんて普通は思わない」
シュタルク「こっちが気付いてないと思ってるから、そのまま自然に見えるような演技をさせてるってことか……」
フリーレン「"演技"って認識もないだろうけどね。単純に村人の私たちに対する認識を弄っていないだけだろう」
フェルン「そうなると向こうはこちらが単独行動したり油断するのを待つ心積もりでしょうか」
フリーレン「だろうね。だからそれまでに敵の洗脳魔法を解析して、解除魔法を組み上げる」
シュタルク「この前、マハトにやったのと同じようにか」
フェルン「解析が終わるまでにどのくらい掛かりそうですか?」
フリーレン「≪万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)≫ほど複雑な魔法じゃないみたいだ。半日もあれば終わると思う」
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