26:名無しNIPPER
2024/09/26(木) 15:11:28.35 ID:znMYFlHB0
>>20と>>21の間にあるべき↓の部分が抜けてました本当に申し訳ありません
試合はオリックス有利に進んでいた。グラウンド整備中に買ってきたビール(結局友紀をなだめきれなかったのだ)を開ける友紀を見て、ふと思い出して尋ねてみる。
「なぁユッキ」
「んー?」
「6年ぐらい前に始球式の仕事しに来たときもここ座らへんかった?」
「あ、覚えてたんだ」
「そりゃまぁユッキのプロデューサーなわけやしな」
忘れるわけがない。あの時友紀に俺が野球に抱く複雑な思いを伝えられなかったら、無意識に野球の仕事を遠ざけていた俺のままだったら、多分今の友紀はなかったはずだ。
「じゃあさ、20年前の近鉄の最後の試合の時にプロデューサーの横にいた女の子のことは?」
「……女の子に怒鳴ってもうた記憶ならあるけど……まさか」
アルコールで多少回らなくなりつつある頭で、記憶を必死でたぐる。あの女の子の緑の瞳が、栗色の髪が、横にいる友紀と重なる。友紀はにっこりと笑って言った。
「久しぶり、おにいちゃん」
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