デジタルモンスター研究報告会 season3
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164: ◆VLsOpQtFCs[saga]
2024/11/10(日) 23:49:10.75 ID:3Pj4f47dO
やがて親であるレベル5のホエーモンは姿を消した。
生死は不明。死骸は発見されていないが、生きている姿も発見されていない。デジドローンの耐圧力では潜れない深海で活動しているのか、未探索エリアで生きているのか…。

姿を消した親の代わりに、第2世代型ホエーモン…レベル4のホエーモン達が海を荒らし尽くした。
何者もホエーモンに敵わなかった。

しかしながら、海のデジモン達は死に絶えはしなかった。
『ホエーモンがいる環境』に適応する進化をしたのだ。

それは、ホエーモンの鳴き声…
特に、獲物の位置を反響で調べるための超音波ソナー音を、海のデジモン達は聴き取り、猛スピードで逃げるようになったのだ。

ゆえにレベル4のホエーモン達は、獲物を捕まえることができなくなった。
そして、子孫である第三世代型ホエーモンを残し…、第2世代型ホエーモンは全て餓死したのだ。

第三世代型ホエーモンは、相変わらず15mほどの巨体だ。しかし、それまでの祖先とは全く異なる食性をとっていた。
所謂プランクトン食である。
大食いではあるが、祖先たちに比べればDPは五分の一ほどだ。

ホエーモンのソナー音は、海のデジモン達にすっかり警戒され攻略されてしまったようだが…、それでも尚捕獲できる獲物がいた。

それは、ピチモンやポヨモン等のプランクトンデジモン。
『海流に逆らわずに漂っているデジモン』達である。

自力で泳いで逃げることができないのだから、超音波が聴こえるとか聴こえないとか関係ない。

第三世代型ホエーモンは、超音波によってプランクトンデジモンの位置を捉え、ゆっくり泳いでそれらを飲み込む。
海水の中から喉の毛で濾し取って消化するのだ。

その巨体がもつ機能は、筋肉の塊というよりは、獲物のプランクトンをたくさん取り込むための巨大な袋のようであった。

第三世代型ホエーモンは白兵戦闘能力が乏しいのだが…、その大声とソナー音は海のデジモン達の本能に、根源的恐怖として刻み込まれている。
故にどんなに非力でも、その巨体から大声を響かせれば、どんな相手も逃げていくので襲われることはない。
祖先が暴れた恩恵を受け、虚仮威しによって無敵の存在になったのである。

…我々が過去に観察したホエーモンに関する記録はこれが全てだ。

どうだった?ベーダモン。
少しは安心した?第一〜第二世代型の強いやつがいなくなって。

『ここから 随分時が 経ったようだが 今はどうなっている』

それを今調べようとしているんだよ。

『ということは 第三世代型ホエーモンの子孫が また先祖返りして 強くなっている可能性も あるか』

あるね。

『引き続き 調査を進めよ 余の下僕共よ』

了解。


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