68:名無しNIPPER[sage]
2025/01/12(日) 17:30:23.73 ID:dUt7EmXE0
きな子が声をかけたのは、きな子に武器として支給された物だ。当然、言葉は返ってこない。
それはぬいぐるみだった。
全体的に茶色っぽい色で、口にあたる所から伸びる白い部分は牙を表しているのだろう、黒いつぶらな目とは対照的な印象を受ける。
バックパックの中からこれが出てきた時は何の冗談かと思ったものだが、今のきな子にとってはそれに話しかける事が精神を安定させる手段となっていた。
「四季ちゃんもメイちゃんも夏美ちゃんも先輩達も、みんなと一緒に、無事に帰れるっすよね…?」
もちろん言葉は返ってこない。
Aqoursのメンバーであれば名前まで知っているであろうそのぬいぐるみ。動物の気持ちが分かるきな子にも、ぬいぐるみの気持ちまでは分からなかった。
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