25:名無しNIPPER[sage]
2024/09/22(日) 15:05:53.73 ID:pzuc7hlIO
02:30 桜内梨子
島の西側、波打ち際に程近い林の中。
そこでは微かに波の音が聞こえ、潮の香りが漂ってくる。今そこにいる人物にはそんな事を気に留める余裕はなかったけれど。
Aqoursの桜内梨子は膝を折ってうずくまり、両手で耳を塞いでいた。ゲーム開始から唯一、敵にも味方にも遭遇していないのは彼女だけだった。
最初の内は他のメンバーを探そうと動いていた彼女だったが、時間を置いて聞こえてくる不吉な音が、一人で行動する勇気を奪っていった。
今はただ、暗闇の中に一人、震えている事しかできない。禁止エリアの確認も、周囲への警戒も、自分がしなければならない以上、眠りにつく事も出来ない。
(光が欲しい……)
何度思ったことだろう。
光が欲しかった。この暗闇を切り裂き、救いをもたらしてくれる眩い光が。
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