66: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/17(水) 17:32:03.99 ID:aGyuAlWz0
「まずは、領主さまの指示に従おう…」
少年は、自分自身に言い聞かせ深く息を吐いた。
「この行いにもきっと理由があるんだ」
男の懐に、手を伸ばす。その体は、既に冷え切り固くなっていた。
あるはずの人肌が持つ温かみ、それがないことが男の死を明確に告げている。
メノウの釦に果実の種、教会のシンボルを模した木端。
男の懐には、碌なものが入っていなかった。
唯一、金目の物と言ったら昨夜配られた1枚の銅貨ぐらいのものだ。
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