40: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/16(火) 21:01:24.47 ID:neaYQz3o0
それらは、麦を刈り森と共に生きる一介の農民には不要なものだ。
僕と父の関係も、農家の親子というよりは師と弟子に近いものだった。
それもあってか僕の家は、村の中でもかなり浮いた存在だったように思う。
父上は、他の家と交わることを避けていたし、それどころか父上の村人との接し方はどこか尊大に見えることすらあった。
とある夕暮れ、台所でウサギを煮込む母に父の生い立ちを聞いてみた。
僕には、父上の立ち振る舞いと、この穏やかな村がどうしても結びつけられなかったからだ。
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