11: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/03/31(日) 21:01:06.74 ID:XVRz4++K0
しかし、一方で料理に向かう人々は一様に身一つで薄汚れている。
美食とも呼べる料理と、みすぼらしい人々のその対照的な姿に違和感を禁じ得ない。
おそらく、彼らは僕と同じく何処かの集落から、逃れてきた人たちなのであろう。
自身の民ではない流民にまで、こんな素晴らしい食事を振るまうなんて。
この街の領主さまは、料理に違わぬ素晴らしい考えを持ったお方に違いない。
「おっと坊ちゃん、女の子はこっちで預かるよ」
空いている席を探す僕に、給仕の服を着たふくよかな女の人が声をかけてきた。
妹を渡すように言われ警戒をする僕に、女給仕は眠る妹を気遣ってか声を落として続けた。
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