913: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/07/20(土) 00:51:01.93 ID:6oOEB6i60
商店街の人「――――なんとっ!おめでとうございまぁあああああああす!特賞温泉旅行券!出ましたぁあああああ!!!!」
――勢いよくカランカランカランとベルの音。そして周囲からお〜という驚きの声。
パピヨン「わっ……!?うそ、本当に当たっちゃった……!?」
『凄いじゃないか、おめでとうパピヨン!』
パピヨン「こんなすんなり当たっちゃうものなんだ……!え、いや、まあ。アタシなら当然だけどね〜!ぷぷ、どうどう?羨ましいでしょおにいさ〜ん?」
ヒラヒラと温泉旅行券を動かし、自慢するように見せつけてくる。ペチペチ自分の頬にぶつかってビンタされているような感覚だ。
『まあ、特賞が当たればそれくらいはしゃぐよな。自分もちょっと心が躍りそうだし』
パピヨン「ぷふふ〜!いやぁ、誰と行こうかな〜。ペア券っぽいしアタシ一人で行くのも寂しいしな〜」
へえ、ペア券なのか。確かにそれは一人で行くのはもったいないな。
パピヨン「ま、ま〜……お、お兄さんがどうしてもって言うなら一緒――」
『じゃあ友達を誘っていくと良い、ライムにシルフィー……他にも家族を誘ってみるとか』
パピヨン「ぇ」
『あ、でも――今は少し時期が悪いか』
今のパピヨンに温泉旅行に行く時間なんてない。今は次のレースに向けて頑張らないといけない時期だ。
そのレースが終わっても、また次のレースが。そしてそのまた次のレースが――。
パピヨン「……ほんっと、お兄さんキモい」
『えっ』
パピヨン「良いよ良いよ、じゃあお兄さんが旅行券持っててよ。ちゃんとやることやった後に、回収するから」
……温泉旅行券を当てたはずなのに、なぜか拗ねてしまったパピヨンに旅行券を押し付けられ。早足にパピヨンが行ってしまった。
な、何でそんな……?ま、まあ来る日の時のために大事に保管しておこう……。
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