88: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/03/07(木) 18:07:00.19 ID:aoJCC0Si0
ナカヤマ「――おいおい、なんだからしくねぇことしてんじゃねぇか」
パピヨン「はぁ、はぁ……あ、ナカヤマ先輩」
夜のダートコース、走り込みをしているとナカヤマ先輩に声を掛けられる。
……ナヤカマフェスタ先輩。入学したばかりの時に、ちょっと喋ることがあってからなんだか気に入られて、今の今までちょくちょく喋っている。
結構素行不良だけど、ヤンキーとかそういうのとはちょっと違う感じの……ぷぷ、お兄さんだったらあんまりかかわるなとか言うかな?
ナカヤマ「なあパピヨン?お前そんな真面目に練習とかする奴だったか?」
パピヨン「……別に〜? アタシだってメイクデビュー前にはちょっとくらい練習するする〜」
ほら、もしデビューに失敗しちゃったらどうしよ〜?みたいな。この前先輩が言ってたスリル?心のヒリつき?
ナカヤマ「……ククッ、随分と可愛らしい一面もあるじゃねぇか」
パピヨン「むっ……」
ああもううるさいなぁ!と、ちょっと怒る。しかし先輩には全く効いていない。逆に笑われる。
パピヨン「もー!何なの先輩!アタシ、珍しく真面目なんですけど!」
ナカヤマ「キャンキャン吠えるなよ――後輩。じゃ、小さな心臓がバクバクのお前の走りで、一つ賭けでもさせてもらうか」
パピヨン「……賭け?え、やだ。アタシ今お金ないんだけど」
ナカヤマ「賭けるのはお前の脚。私が提示するタイムで3ハロン走れるかどうか……もしお前が走れたら、明日メシでも奢ってやる」
パピヨン「ほんと!?やったぁごちそうさまでーす!」
ナカヤマ「そしてもし走れなかったら……当然、お前が私に奢るんだぞ?」
「はいはい分かってる分かってる!明日何食べようかな〜……」と、後輩の話は聞こえていない様子に、ナカヤマは呆れたように笑う。そして――。
パピヨン「はぁああああ!?今のなし!ノーカンノーカン!もっかいもっかい!」
ナカヤマ「ハハハ!そんな走りじゃ一か八かもありえないか!いいか、まずお前の走りは――」
――そしてもう一度、ダートを走る。
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