802: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/07/05(金) 23:38:43.46 ID:WdAq/ul40
ライム「――お願いしますパピヨンさん!わ、私の料理の感想を教えてください!」
ある日の放課後、アタシはライムにそうお願いされて食堂の席に座っていた。周りにはちらほら生徒がいるけど、ちょっとお喋りをしていたりとかが主で、ご飯を食べる!みたいな雰囲気の子は誰もいなかった。
パピヨン「ねえ、なんでアタシなわけ?シルフィーとか、マンティとか……あ、ほら。食べるの大好きな葦毛のウマ娘とか日本総大将とか呼んでさ」
ライム「それも考えましたけど、出来るなら私。食べて満足して貰いたいんです……そ、その人たちの胃袋を満足に満たすとか出来ません!」
何とも言えない責任感。こういうところがライムらしいなぁと思う、いやそれの被害を受けているのはアタシなんだけど。
パピヨン「というか、ライムなんでいきなりこんな?料理に目覚めたとか?」
ライム「あ、いや、えっと、そのぉ……」
――あれあれ急に顔が真っ赤になったぞ?おやおやおやぁ……?
ライム「……ら、来月はクリスマスじゃないですか?ですからその、あの。パピヨンさんにも話したとは思うんですけど、○○くんに……」
パピヨン「あ、なるほどね。彼氏君に料理作ってあげたいんだ、クリスマスの」
ライム「で、ですから!そういう関係じゃないですから!パピヨンさん!」
手をぶんぶん振って否定するその姿、怪しい。怪しいぞぉライム〜?ニヤニヤと笑ってからかってやる。
――成程、はいはい。つまりアタシを彼氏君に提供できる料理かの判断材料にしたいわけね?というか練習台と。
……………………。
パピヨン「………んま、別にいいけど。ほら、作ってきなよ料理。食べてあげるから」
ライム「――!す、すみません!ありがとうございます!で、ではある程度準備は出来ているのでちゃちゃっと作ってきますね!」
ぱぁっと、明るい笑みを浮かべてライムはキッチンへと走って行ってしまった。はぁ、嫌な笑顔。彼氏君にそんな美味しいものを作ってあげたいの?
ケーキとか作ってあーんとかするつもり?はぁ、アタシの方が今は長く付き合ってると思うけどなぁ。
…………ぽっと出の彼氏君め。いや、ぽっと出はアタシか。なーんて。思いながら頬杖をついて料理を待つ。
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