740: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/06/25(火) 21:57:40.27 ID:YDQ58vaT0
パピヨン「…………ふぅ」
――9月の夜はまだまだ蒸し暑い。軽く走り込みをしただけなのにムワっと汗が籠り、気持ち悪い。
お兄さんの期待を裏切ってしまうんじゃないかと不安になったとき、ちょっとモヤモヤすることがあったとき――兎に角アタシは走る。走ればその瞬間だけでも気持ちをリセットできるから――けど、ちょっと今回のそれは普段とは違った。
走っても走っても、なんだか引っかかる。小さなモヤモヤが残って消えない。
パピヨン「嫉妬、ムカつき……違う、違うのかな」
アタシがライムに初黒星を付けてやる!そういう気持ちも確かにあった、だけどそんなことで――いや、ダメだ分かんない!アタシがライムをどう思っていたのかが今更分かんなくなってきた!
ライバル!そう、ライバルになりたかったの!だから――アタシはずっとライムを。
パピヨン「…………そろそろウイニングライブも終わったかな」
――スマホを取り出して、電話をかける。プルル、プルルとコール音が鳴って。
ライム「はい、もしもし。パピヨンさんですか?」
パピヨン「――んっ、んんっ。こんばんはライム」
自分からかけておいて、ライムが電話に出たことに驚いて咄嗟に声が出なかった。喉を鳴らして、声を整える。
パピヨン「レースお疲れさま〜。見てたよテレビで」
ライム「あ、あはは――そうですか、見てましたか……」
――恥ずかしそうに頬を指でかく姿が見える。
ライムは――:コンマ直下
コンマが高いほど全然気にしてない!低いほどめっちゃ落ち込んでるし泣いてる。
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