22: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/03/03(日) 23:10:58.29 ID:HG7FmYhv0
……その、馬鹿にしたような口調はどうなんだい』
【貴方】は目の前にいる銀髪のウマ娘に対して言う。大人に対して、いえ誰に対しても、そのような小馬鹿にしたような口調はあまり好まれないはずだ。
「えー? お兄さんもしかして怒ってるー? やーんこわーい! ぷっ、ふふふ……」
『……』
……成程、性格に難ありとはこういうことか。もしかしたら、このような感じで他のトレーナーにも話していたのかもしれない。
しかし、何故わざわざこんな嫌われるような……もしかしたら、これから自分のトレーナーになるかもしれない相手に対して。
『キミは』
「ん?」
【貴方】は言う。
『……何故、走るんだい』
「何その質問? アタシが何で走るか……うーんそうだなぁ」
――知らなーい! アタシは、アタシが走りたいから走るの! それだけじゃ、悪い?
あははは! そう笑って、彼女は行ってしまった。引き留めようと思ったが、もう追いつけなさそうな距離にまで行ってしまった。
小さな身体からは想像もつかない、トップスピード。青みがかった銀髪が、まるで銀色の炎のように靡く。
……明日も模擬レースはある。もしかしたら、明日また行けば会えるかもしれない。
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