114:名無しNIPPER[saga]
2024/03/21(木) 00:21:36.12 ID:HWFNvK8iO
「毎度あり。手荷物になるから商品は店に送っとくよ。今後も購入日の翌朝に届くよう手しとくからご贔屓に頼む。…っと。住所もそうだが、店名を訊いてなかったな。部下に後ほど運ばせるから教えておきたいんだ。どんな名前だい?」
名前。名前か。そういえば何も考えていなかった。本来は他の三人と話し合って決める予定だったから、未定でも仕方のないことなのだが。
そういえば親父が経営していた店は【ロードレア武具工房】という名前だったか。ラスティには参考までに伝えておく。
「なるほど。となるとお前さんは鍛冶屋を開くつもりなのか。…まあ、いいんじゃないか?あんたのネームバリューはなかなかのもんだ。剣聖の営む鍛冶屋ってのも話題になるだろうしな」
だが、親父の店名をただ継ぐだけというのも味気ない。店を経営するのは自分なのだから、好きにさせてもらおう。
ステラは数秒の間熟慮し、満足げに頷いてチラシ裏に店名を記載した。
【ステラズ-スミス-ショップ】。略してSSS。我ながら悪くない。隠しきれないセンスがキラリと光るいい名前だ。これには地獄の親父も感涙していること間違いなし。
「えぇ…。その名前でやっちゃうのか…。本人が良いならそれでいいか。解った。じゃあそこに荷物は運んでおくよ」
半ば投げやりになったラスティに、ステラは微笑で答える。彼とは楽しくやっていけそうな気がする。
たまにはこういった付き合いを増やすのも悪くない。暇な時にまた来ると告げると、ラスティは軽く手を振って部屋を後にした。
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