デジタルモンスター研究報告会 season2 エピローグ
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98: ◆VLsOpQtFCs[saga]
2024/02/11(日) 22:17:53.85 ID:sQ1O3fn5O
「君達バイオシミュレーション研究所のセキュリティチームは、デジモンを失敗作として切り捨てない。たとえ弱いデジモンや、指示を聞かないデジモンであっても…、その長所を見出し、それらを組み合わせて敵に立ち向かった。だから君達はAAAに勝てた。そうだね?ケン」

…。
うん。私もそう思うよ、メガ。

コマンドラモンやパルモンのように、それ単体で優秀なデジモンだけを画一的に増やしていては、クラッカーに太刀打ちできなかった。

味方デジモンが誰一人欠けても、勝てなかった。
だけどその味方デジモン達は、どんな姿にするかを設計して、指向性を持たせたわけじゃない。

デジモン達自身に、どう進化するかを任せた。
デジモン達が本来持っている進化の力に…。
未知を探求し、予測不可能な進化をするという混沌が生み出す可能性に賭けたんだ。

「そう。だから君達は圧倒的な数の不利を覆せた。だけどそれは…とどのつまり、セキュリティチームの為すべきタスクが『敵性デジモンを暴力で排除すること』だから、そのアプローチが使えるんだ」

…。

「AAAは言った。デジモンは道具だと。…どう思う?」

そんなだから敗けたんだあいつは。

「…そうかもね、そうかもしれない。クラッカーは、ただ暴力で敵を倒すだけのデジモンを育てればいいというわけじゃない。デジモンに情報窃盗をさせたいなら、それができるような能力を持ったデジモンへと進化の指向性を持たせなくちゃいけなかった。それはつまり、望まない形式を持ったデジモンを切り捨てることを意味する」

…スパイウェアデジモンの粘菌デジモン達や、ランサムウェアデジモンのキャンドモンやアイスデビモンを作り上げるためにも、膨大な失敗作を犠牲としてきたってわけか。

「意外かもしれないけど…AAAはね。自分のデジモンを愛しているよ」

ええ!?
そうは思えないぞ。簡単にあっさりとデジモンを切り捨てるし。
蛮族デジモンを捨て駒にしていた。

「蛮族デジモンはあくまで野生デジモンを利用しているだけ…。彼の中では『自分のデジモン』ではないだろう。ズバモンとルドモンに対する彼の執着はどうだった?」

…是が非でも取り返そうとしていた。
使い捨ての蛮族とは真逆だ。

「そう。スカモンもそうだった。最初にスカモンと戦った時は、トドメを刺される前にチューモンに脳を回収させていた」

そういえばそうだっけな。


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