日向「安価とコンマで依頼を解決する」澪田「その6! RPG編っす!!」
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958: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/11/23(木) 23:32:20.53 ID:CuUW0Nek0


魔王が完全に消滅したのを確認して、俺は竜装合体を解いた。……力を貸してくれたのは勿論ゴイ。それと──


ゴイ「クールルゥ♪」

光の精霊「ふぅ……お疲れ様。よく頑張ったね勇者くん」

光の精霊だった。俺は境界竜(?)であるとかいうゴイと『本契約』を交わす事で文字通り魂を一つにして、光の精霊というブースターも身体に取り込んで強引に世界の境界を突破。一旦元の世界に戻り、真宮寺を操っていた魔王の魂の半分を消滅させて、この世界に戻って来たんだ。


対魔忍尾美田「武威器は……武威器は信じてたっす! 創ちゃんならきっとやってくれるって!!」

陰陽師葉隠「はぁ……なんとも危ねぇ橋だったが……無事に渡れたようで何よりだべ!!」

魔法使い入間「たっくおっせぇんだよDT勇者!! も、もう少しで俺様達死んじまうところだったんだぞ!! 不安だったんだからな!!」

武闘家茶柱「……でも日向さん。本当に良かったんですか? ゴイさんと契約するって事は……」

勇者日向「ああ……今後も俺との縁を辿って俺達の世界に遊びに来る気満々だろうな……。今更だけど、俺の人生。厄介事がドガッと増えたような気がするよ」

真宮寺(霊魂)「だけど、それでも先輩は僕が助かる道を選んでくれた……。僕も、そして姉さんも助けてくれた。どれだけお礼を言っても言い足りないヨ。……この大恩は、いつか必ず返させてもらうからネ。……さて、そろそろ時間かな」

突然俺と葉隠、入間と茶柱の足下に、不思議な光の粒子が現われる。……これは、もしかして……。


真宮寺(霊魂)「ゲームをクリアしたんだから、僕達は元の世界に帰らなくちゃいけない……名残惜しいかもしれないけど、尾美田さんや光の妖精と最後のお別れをすると良いヨ。僕は先に帰って待ってるからネ」

真宮寺はそう言うと、光の粒子に包まれて消えてしまった。……俺達も、自分達の世界に帰らなくちゃならない……でも。


対魔忍尾美田「はいどーん!」

勇者日向「どわぁっ!」

俺は、不意に後ろから澪田に突き飛ばされた。……そして、頬にキスをされた。


対魔忍尾美田「武威器、寂しいお別れとか大っ嫌いなんで、最後まで笑顔でいるっすよ!! ……創ちゃんも、転子ちゃんも、康広ちゃんも、美兎ちゃんも……皆で旅をしたこと、絶対絶対忘れないっす! 一生忘れないっす!!」

勇者日向「……そっか、じゃあこれ……」

俺は尾美田に星の聖剣と理想郷の盾。それから苗木王子から貰ったブローチを渡す。


勇者日向「それぞれ泉の精霊と、苗木王子に返してやってくれ。……それが俺の最初で最後の主従命令だ。……頼めるか」

対魔忍尾美田「……はっ! この対魔忍尾美田。主様の最後の命、なんとしても完遂してみせるっす」

そう言って、彼女は俺に頭を垂れた。──さて、そろそろ本格的に「時間」だな。



魔法使い入間「……なぁ、真宮寺って奴の話じゃ、元の世界に戻った時にこの世界の記憶を保持していられるかどうかにゃ個人差がある──って話しだったよな。……だったら頼みがある。もし俺様がこの世界の事を全く覚えてなくて、その上で『元の俺様』って奴が、俺様同様「恋する乙女」って奴になってるなら『今すぐにその男に告白しろ、無理矢理襲ってでも手に入れろ』って伝えてくれ。……もう二度と「手遅れ」になるのはゴメンだからな」

勇者日向「……ああ、分かった」

陰陽師葉隠「あー……そういう事なら俺っちも頼めっか? 楽して大金稼ぐのも良いし、ぶっちゃけそうしたいと思うんだけども……。一生懸命努力して、他人から金と一緒に称賛と笑顔を貰うのも悪くねぇぞって伝えてやってくれ」

勇者日向「……ああ。茶柱は? なにか忘れてたら伝えて欲しい事とか無いか?」

武闘家茶柱「……いいえ、転子にはありませんよ。だって──何度記憶が消えようとも、この世界の出来事を忘れてしまったとしても──」



──きっとまた、あなたの事を好きになりますから──



その言葉を最後に、俺達はこの世界から完全に退去させられた。



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