363: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/12/17(日) 01:16:31.12 ID:3a/Q+oRzo
シャドウ「何を言ってるの? どうしてそんなことを言うの? なんにも分からなかったよね」
サクラ「はあっはあっ……!」
シャドウ「でもそれだけで終わりじゃなかった」
サクラ「っ! もうなにもしゃべるなっ……!」
シャドウ「止めてみれば?」ニヤッ
サクラ「っ……!!」ピキッ
サクラは力任せにシャドウを攻撃した。
しかしシャドウは、そんな攻撃をあっさりいなして話を続ける。
シャドウ「ふぅ……さっきの、ママも聞いてたんだよね」
サクラ「う、けふっ……!」
桜野(『産まなきゃよかった』。その言葉を聞いたのは、わたしだけじゃなかった)
シャドウ「ママもあなたに気づいた」
桜野(わたしを見つけた時、ママはハッとした表情を浮かべた)
シャドウ「それですぐまたパパに縋りついて言った。覚えてる? 忘れるわけないよね? ママ、こう言ってた……」
サクラ「も……やめ……」
ママ『捨てる、捨てるからっ! その子捨てるから!! 孤児院でも養護施設でもゴミ箱でも!! どこにだって捨ててくるからっ!! だからわたしを……!!』
シャドウ「置いてかないで……って」
サクラ「う、ぅぅあ……!」
シャドウ「ママにとって、あなたはただの鎖みたいなものだもんね」
桜野(そう。わたしが産まれたのはママのワガママのため)
シャドウ「子供を産めば、パパは自分から離れていかない。ずっと繋ぎとめておける」
桜野(そう考えたから、無理やりにでもわたしを産んだ)
シャドウ「ママのもとからパパがいなくならないようにする。あなたの存在理由はそれだけなの」
桜野(わたし自身は望まれたわけでも、愛されたわけでもない)
シャドウ「そしてママにとって、パパを繋ぎとめておけないあなたには何の価値も無いの」
桜野(だからママは、わたしを捨てるって言ったんだ。無価値なゴミを捨てれば、パパと一緒にいられるって思ったんだ)
サクラ「っ……!」ギュウウッ
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