331: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/12/13(水) 22:30:05.25 ID:gjCpmcQso
ライガ「ぅ! がふっ……!!」ガクッ
クリアの攻撃を対処しきれず、ライガがついに膝を着いた。
クリア「プリキュア!!」バサッ
そのチャンスを見逃さず、クリアがマントを大きく広げる。
ライガ「!」ゾッ
その瞬間、ライガの目に映ったのは無数の影。
マントの内側に湛える水の中、今宵の招待客が目を光らせていた。
クリア「アクアフェアリオ・バンケット!!!」
グググググッ!
ブワアアアアアッ!!!!!
それは水精の宴。
クリアの声を合図に、その時を待ちわびていた者たちがマントの中から溢れ出す。
ライガ「なっ……!」
ある者には鋭い歯があった。またある者には大きなヒレがあった。別のある者には吻が、吸盤が、甲羅が、鋏が、嘴が……
数多の水精がまるで1つの生き物のようにうねり、そして……
クリア「いっっっ……けぇぇ!!!!!」バッ
ドワアアアアアッ!!!!!
波涛となってライガへと押し寄せた。
ライガ「っ……!」バリリッ!
ライガは咄嗟に全身に雷を纏った。
しかし同時に理解していた。もはや逃げ場など、どこにも存在しない。
ライガ「うおおおあっ!!!」バヂヂヂヂッ!!!!!
残った力の全てを両腕に注ぎ込み、殺到する激浪へ突き出した。
それが最後の抵抗だった。
しかしその雷鳴は……
ライガ「っ!!!」
バヅンッ!
刹那の後、濤声に消えた。
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