322: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/12/13(水) 11:42:37.87 ID:gjCpmcQso
クリアは満身創痍の身体で、倒れ込むように拳を放つ。
クリア「私っ、勘違いしてたっ……っ!」
ライガ「今更なにをっ……」
クリア「ずっと……うぐっ……! ずっとあの子は強くて優しいんだって……だからいつも笑顔でいられるんだって思ってたっ……!!」
しかしそんな攻撃が通用するはずもなく、あっさりいなされ反撃を食らってしまう。
クリア「ぁが、ぅ……で、でも、違った……! 誰かのためっ、みんなのためっ……あの子にはそれしかなかったっ……!!」
ライガ「諦めろ……!」
クリア「私が助けてって言ったら……! あの子きっと、本当に助けに来るっ……! また自分が傷つくことなんてお構い無しにっ、ボロボロのまま笑うっ……!!」
ライガ「鬱陶しい!」バシッ
クリア「あぐっ……!」ドサッ
ライガ「もう分かっただろう!?」
クリア「うぅ、く……でもっ……!!!」ダッ
ライガ「チィッ……!」
それでもクリアは1歩も退かず攻撃を繰り返す。
クリア「でもそれじゃダメなのっ……! あの子にはもっとっ、大切にしなきゃいけないものがあるのっ……!」
ライガ「小癪な……!」
その度に精彩を欠いていた攻撃が徐々に鋭さを増していく。
クリア「私はこれからもあの子と一緒にいたいからっ……! 隣に立って支え合える存在でありたいからっ……!」
ライガ「くっ……ぅ……!」
もう戦う力は残っていないと思っていたクリアの攻撃が捌ききれなくなり、ライガは次第に焦り始める。
クリア「だからいつまでも支えてもらうだけじゃいけないのっ……! 甘えてるだけじゃいけないのっ……! 寄りかかってるだけじゃいけないのっ……!!」
ライガ(こいつ……! だんだん早く……!!)
ライガ「く、ぉぉお……っ!」バチチッ!
そしてついに……
クリア「今度は私が迎えに行かなきゃいけないのっ! 誰より早く飛んでいって、もう大丈夫だよって伝えてあげなきゃいけないのっ!!」
クリアの拳がライガの懐を捉えた。
ライガ「あぐっ……!?」グラッ
クリア「あの子の1番大切なものが……あの子自身であるためにっ……!!」
ライガ「っ!!」バリバリッ
クリア「私はあなたにっ……!!」ググッ
ライガ「うおあっ……!」
クリア「ひとりで勝たなきゃいけないのっ!!!!!」ギュオオッ!!
ライガ「っ!?」
ドガァァァンッ!!!
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