クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2023/11/10(金) 03:39:18.61 ID:J4m7k5JcO
「有栖川、今日はごめんね」
「ん? なんのこと?」

帰り道に騒動に巻き込んだことについて謝罪すると、有栖川は本当に心当たりがないかのようにキョトンと首を傾げた。

「山田のこと」
「あー……あれはまあ、あたしにも責任あるって言うか、原因みたいなもんだから」

仲良くなって知ったことだけど、有栖川はお人好しすぎる。将来サギにでも引っかからないか心配だ。もっとも、この冷たい印象の美人を騙すのは勇気が必要だろうけど。

「有栖川はさ」
「ん?」
「僕が小細工なしで友達になってって言ったら、仲良くしてくれた?」

そう訊ねると顎に手をやって有栖川は考え始めた。その横顔が綺麗で僕はドキドキする。

「わからん。いきなり田中が友達になってとか言ってきたら、たぶん何を企んでるのか疑ってたと思う」
「だよね」

やっぱり僕は正しかった。山田には悪いけどこのアプローチでしか有栖川に近づくことは出来なかった。けれど有栖川はこう続ける。

「でも、なんだかんだ仲良くなってたと思うよ。うん。それはきっと間違いない」
「な、なんでそう言い切れるの……?」
「田中はありがとうとごめんなさいを素直に言えるから。それが出来れば仲良くなれる」

なんだそれ子供か。美人の癖にかわいいな。


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