日向「安価とコンマで依頼を解決する」罪木「その4ですぅううう!!」
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536: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/10/29(日) 22:58:13.39 ID:7bUgCaDW0

それは、俺がいつも通り自分の研究教室で学園側に提出する相談(依頼)の報告書を書いている時だった。ガラララッ──と扉が開き、教室の中に終里が入って来る。


終里「……よう」

日向「終里じゃないか。なんだ、また何か依頼か?」

もしそうならば「報告書」作りは後回しだ。相談を聞いて、依頼の解決をする方が優先されるからな。


終里「あー……。なんだ、その……。依頼っつーかなんつーか……」

……? なんだ、妙にハッキリしないな。何というか、いつもハキハキしてる終里らしくない。むしろモジモジと、なにやら恥ずかしそうにしている。なんだ? どうしたって言うんだ?


終里「……今日の夕方、学校の校庭にある体育倉庫に来い。──お前一人でな」



〜〜〜放課後、学校の校庭にある体育倉庫の前〜〜〜



俺は、本気でドギマギしていた。もちろん、良い意味ででは無い。希望ヶ峰学園の学校の校庭にある体育倉庫は、勿論体育に使う為の用具が詰め込まれているのだが、「裏」話しでは「イジメ」や「誰かを痛ぶったり」「タイマン(接近戦)の喧嘩をするのに最適な広さ」があるともっぱらの噂なのだ。

……終里の奴、まさか「自分と勝負しろ!」とか言い出すんじゃないだろうな? そりゃあ俺も夏休みに入ってから自主トレは続けてるけど左右田のやってるそれには遠く及ばないし、大して強くなどなってはいない。(何故か「座禅」だけは毎回効果があるんだけど)

……大丈夫だ。服の中に分厚い本は挟んできたし、いざという時のために事情を話した弐大に通じる緊急用のブザーも持っている。あいつが戦闘モード全開で急に襲い掛かってきたりしても大丈夫──な、筈だ。うん。そう信じたい。すぅ……はぁ……と、深く深呼吸をして。俺は体育倉庫の扉を開けた。


終里「よ、よう……」

そこには既に終里が居たんだが、やはりなんというか「らしくない」何かを躊躇っている様な、妙に緊張している様な──そんな雰囲気だ。


日向「……約束通り来たけど、どうしたんだ? 今日のお前はなんというかその、お前らしくないぞ。やっぱり何か合ったのか?」

終里「いや、その……なんつーか、だな……。ああもう、何て言葉にすりゃ良いんだ……!!」

他人に絶対に聞かれたくない内容の依頼がある──っていうなら、納得だ。夕方に体育倉庫に人がやってくる可能性なんてほぼ0に等しいし、俺も入るときに周囲に人が居ないか確認したからな。

俺は覚悟を決めて終里に一歩近づく。すると終里はやはり彼女らしくなく、ビクッと全身の筋肉を強張らせた。


日向「なぁ、他人に絶対聞かれたくない内容の相談とか、そういうのがあるなら頼むから素直に言ってくれ。なんでも協力するし、どんな内容の依頼だったとしても俺はお前を拒まないよ」

終里は「ほ、本当か……?」と聞いてくる。それに俺は大きく頷いた。誰にも言えないような、口にするのも憚られるような相談であっても受ける──それが、勇気を持って「悩み」を相談してくれた依頼者に対する、俺のポリシーだ。

終里はやはり数分の間モジモジしていたが、急に覚悟を決めたような顔になって──


終里「──おらぁ!!」

日向「ん、なっ──!?」

急に俺を、体育マットの上に押し倒してきた。なんだ!? やっぱ喧嘩か? バトルなのか!? ええっと、弐大に通じる緊急用のブザーは……!!


終里「日向!!」

日向「お、おう! 何だ!?」

終里「お前はその……大して強くもねぇくせに、毎回毎回オレの無茶に付きあってくれて、オレが何かやらかしたらシッカリ叱ってくれて……色んな事を教えてくれて……その……。ま、毎日ありがとう……」

日向「……? お、おう」

予想外の──終里から「礼」と思われる言葉を受けて、俺は戸惑った。……まさか、それを言う為だけに体育倉庫に俺を呼び出したのか?



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