日向「安価とコンマで依頼を解決する」七海「その2だって」
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931: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/10/03(火) 21:56:05.80 ID:DH4hXlgR0
日向「……ひっろ……」

俺の口から思わず出たその一言に、俺をここに拉致(?)してきた張本人が馬鹿にするように言う。


十神「当然だ。十神財閥が保有しているプライベートビーチだぞ。そんじょそこらの成金セレブ共のそれと一緒にするな」

日向「いや、それは確かにそうだと思うけどさぁ……」

確かに広い、そして綺麗だ。砂浜も海水も「人の手」が入っているのか肌触りが良いし、景観も素晴らしい。去年77期生の皆と修学旅行で行った「ジャバウォック島」に勝るとも劣らないだろう。
……だが俺は、そんなプライベートビーチを前にしてはしゃぐ気分にはなれなかった。遊ぶ気分にもなれなかった。──何故か。


九頭龍「…………」

辺古山「…………」

水着姿ですら無いいつもの恰好をした九頭龍と辺古山が、特大なビニールシートの上に、神妙な面持ちで座っていたからだ。……あれ? おかしいな?? 今日は遊ぶ日にしようって決めた時に限って「運命」って奴が妨害してくる気がするぞ???


九頭龍「……よう日向。一学期ぶりだな」

辺古山「……変わりはないか?」

一応とばかりに挨拶してくる二人に「あ、ああ……」と答える。……なんだこの重っ苦しい空気は。俺は一体何に巻き込まれてるんだ???


九頭龍「……? 日向テメェ、もしかして事情を聞かされてねぇのか?」

日向「あ、ああ……。朝家を出たと思ったら突然十神のリムジンで拉致られて、そのまま……」

十神「……妙な事を言うな。「立会人は日向しか認めない」と言ったのはそっち(九頭龍組)だろう。説明をする義務も当然そっちにあると思うが?」

辺古山「……強引に巻き込んですまない、日向。だがこれは我々にとって重要な事なのだ」

九頭龍「俺ら(九頭龍組)と十神(財閥)の「今後」に関わる重要な会合だ。信用出来る人間しか立会人に出来ねぇんだよ」

……今すぐにでもこの場から逃げ出したい。そんな思いが俺の中でふつふつと湧いてくる。これアレだ。セレスの時と同じ「裏」社会勉強って奴だ。俺が「超高校級の相談窓口」だからってだけでそんなのに巻き込まれたっていうなら、俺は生まれて初めて自分の「才能」って奴を恨むかもしれない。

……まぁ九頭龍と辺古山が俺にそこまで信頼を寄せてくれていた、ってのは素直に嬉しいが……。十神はそれで良いのか? 俺との接点なんて殆ど無かったはずだが……。


十神「十神を侮るな。貴様が学園で起きた様々な事件を解決してきたというのは調査済みだ。「超高校級の相談窓口」としてのその腕前。どの程度の物か、この場で見極めてやるのも一興──そう思ったまでだ」

日向「そ、そうか……まぁお前らが良いならそれで良いんだが……」

そうして、十神のプライベートビーチを利用した、極秘の会合は幕を開けたのだった。

↓1 低コンマほど穏便に。高コンマほどギスギスに進む。
↓2 低コンマほど十神に、高コンマほど九頭龍組に有利。




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