日向「安価とコンマで依頼を解決する」七海「その2だって」
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904: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/10/02(月) 22:54:56.03 ID:9gtsfYIe0
>>901 グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!(ここでゾロ目かぁ……。ここでゾロ目かぁ……!!)


日向「……七海と観光都市で遊んだこと、かな」

夏休み序盤の出来事とはいえ、あの日のことは非常に印象深く残っている。観光都市であるK市を、七海と一緒に手を繋いで夕方まで練り歩いたことは、この夏……。否、俺の人生の中でも決して忘れられない思い出になっただろう。


澪田「あ、唯吹もそれ知ってるっす! お土産の駄菓子、ご馳走様でした創ちゃん!!」

西園寺「私も七海おねぇからお土産貰ったけどさぁ。どうせなら金平糖が良かったなぁ……。まぁあの街の名物饅頭って奴? は悪く無かったけどさ」

罪木「ふゅう……。ふ、二人っきりでですかぁ……。ああいえ! 特に意味があるわけじゃあ……。ご、ごめんなさぃいいいいいいいい!!」

? 罪木は何の理由があって謝罪してるんだ? サッパリ分からないという顔をする俺は、西園寺と澪田から溜息をつかれてしまった。なんだってんだ一体……。


澪田「じゃあ次は唯吹の番っすね! ……とは言ってもこれ、夏定番の怪談話なんすけど」

罪木「か、怪談話ですかぁ……!?」

西園寺「怪談に合いそうな歌を積極的に作ってる澪田おねぇだもん。怪談話の一つや二つ、持ってても不思議じゃないよねー」

そう言いながらも顔は青くなってるし、冷や汗掻きまくってるぞ西園寺。怖いなら怖いって素直に言えば良いのに……いや、あいつや小泉になら素直に言うのか?


澪田「あれはそう……。唯吹の歌に新たなインスピレーションを加えるべく、是清ちゃん、アンジーちゃん、真昼ちゃん、誠ちゃんと一緒に百物語大会を古い神社で開催した時の話しっす……」

百物語大会!? んなもん開いてたのか澪田の奴……。それにメンバーが真宮寺にアンジーって……なんていうかこう、それだけでも嫌な予感がしてくるんだが……。


澪田「話しが九十九番目まで終わって、いよいよ最後。アンジーちゃんが百番目の「怖い話し」を始めたんす…………」

〜〜〜〜


アンジー『アンジーはねー! 今日はいつも通り朝目が覚めて、いつも通り神様に祈りを捧げて、いつも通りに絵を描いて、いつも通りにお昼ご飯を食べて、いつも通りに散歩に出かけて、みんなと約束してた百物語をする神社に辿り着いて、そこで怖い話しを始めて──『そこで目が覚めた』んだー!!」

唯吹、最初はアンジーちゃんが言っている意味が分からなくて???状態だったんすよ。何が言いたいのかサッパリ分かんなくて、真昼ちゃんも誠ちゃんも「?」マークを浮かべてたっすねぇ。


アンジー『これって凄く怖い話しだと思わない? だって自分が『現実だ』って信じてた物が現実じゃ無かった。ただの『夢』だったんだよー?』

そう説明されて、唯吹はようやく何が言いたいのか理解出来たんすけど、それでも「怖い話し」って実感は無かったんす。だって、今ここにいるのは間違いなく澪田唯吹の筈で、是清ちゃんとアンジーちゃんと真昼ちゃんと誠ちゃんと一緒に百物語大会を──


アンジー『本当に『そう』だって分かる? 今見ているのが『夢じゃない』ってちゃーんと断言できる?』

その質問を受けて、唯吹が言葉に詰まった時──最後のろうそくが消えて辺りが真っ暗になったと思ったら、唐突に眠気が襲ってきて、それにどうやっても抗えなくて倒れて……。気づいた時には唯吹『いつものベッド』で目が覚めたんす。
「誰かが家まで運んでくれたんだろう」って思って、お礼と昨日の百物語の感想を言うためにみんなに電話を掛けたんすけど……


『──何それ?』


ってみーんな言うんすよ。まるで「百物語大会」なんて「最初からなかった」みたいに。……だとしたら、唯吹が体験したあの「百物語大会」は一体なんだったんすかね?


〜〜〜〜

澪田「──とまぁこんなオチっす! どうっす? ちょっとは背筋が寒くなったっすか?」

西園寺「そ、そそそそそそんな訳ないじゃん! 澪田おねぇが変な夢を見たってだけの話しでしょ!? そんな……そんなもんで怖がるわけないでしょ!!」

西園寺が恐怖を振り払うかのように大声で叫ぶ。罪木も「ふ、ふゆゆぅ……」と肩をふるわせていて、俺も正直「ゾクッ」とした場面があった。
……今までの自分が全部夢(嘘)か……そんな悪夢、考えたくもないな。もしそうだったのなら自殺を考えてもおかしくないぐらいだ。




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