日向「安価とコンマで依頼を解決する」七海「その2だって」
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◆DWp3lSnh.v3L
[saga]
2023/09/25(月) 22:45:41.46 ID:4iMSsH/A0
33のゾロ目かぁ……よし、こうしよう。
七海「あ、来た来た。おーい日向くーん!!」
日向「七海、遅れてすまない!」
俺は七海と一緒にとある横町と鐘で有名な某K市に来ていた。前日に七海から「どうしても行ってみたい駄菓子屋さんがあるんだけど……。良かったら一緒に行かない?」とお誘いを受けたのだ。
当然即OKした俺は、昨日のサクラの事など完全に忘れ、喜び勇んで今日という日を迎えた。
七海「ううん。私も今来たところだから……じゃあ行こっか。ここからだと「名所巡りバス」っていうのに乗るのが一番速いのかな?」
日向「ああ。……折角朝早く来たんだから、他の場所もゆっくり観光していこう」
俺の言葉に七海は「うん」と微笑ましく頷くと「名所巡りバス」と書かれたバス停でバスが来るのを待った。
〜〜数十分後〜〜
七海「おおお! これが伝説の……」
日向「流石に伝説になるほど有名なとこじゃないとは思うけど……。なんていうかうん、風情があって良い所だよな」
「蔵造りの街」としても有名なこのK市は、その貴重な歴史遺産を守る為、街ぐるみで色んな活動をしている。……日本最大規模と言われる「菓子屋横町」もその一つだ。
七海「ねぇねぇ日向くん! 早く、早く行こうよ!!」
七海が俺の手をギュッと掴んでグイグイと前に引っ張る。おいおい、そんなに慌てるなって。そんなに急がずとも駄菓子屋は逃げな……
〜〜更に数十分後〜〜
七海「…………」
日向(……いやまぁ、こんなこったろうとは思ってたけどさ)
俺は七海がとある駄菓子屋の中に置いてある、ボロッちい昭和生まれのレトロゲームに夢中になっているのを、適当な駄菓子を買って食べながら見ていた。
昔は駄菓子屋にこういうゲームが置いてあるのが当り前だった──とは聞いた事があるけど、まさかまだ現存している機種がある駄菓子屋があったとは。七海の目当ても十中八九「これ」だろう。
……なんだろう。なんというかもっとこう、今までになかったようなイベントを心の中で期待していた俺がいることに、俺は気づいていた。
──くん
折角観光都市に来たんだし、もっとこう、七海と色んな所を……。
七海「日向くん!」
日向「うおっ! 七海!?」
七海「どうしたの? さっきからボーッとしちゃって……。何か考え事かな?」
俺視点で唐突に目の前に現われた七海に、俺は飛び上がるぐらい驚いた。滅多にやれないレアなゲームを「あの」七海が一時間足らずで切り上げただって……!? 俺はその事実が信じられず、頬を抓ってみるが、ただ痛いだけだった。……夢じゃないのか。
七海「今日は色んな所に行くんでしょ? さ、お土産の駄菓子を買って、早く次の場所に行こうよ!」
日向「あ! お、おい!」
そう言って再び俺と手を繋ぐ七海に導かれるように、俺達は色んな場所を巡った。蔵造りの街を練り歩いたり、縁結びと厄除けで有名な神社にお参りに行ったり、テレビや雑誌で何度も紹介されている有名な甘味屋であんみつに舌鼓を打ったりと……兎に角色々だ。
──それだけ色んな所を巡れば、時が過ぎるのも当然早く……。気づけば夕方になっていた。
名残惜しい──そんな気持ちを抱えながら、七海と一緒に駅へと向かう。
七海「んー! 今日は楽しかったぁ!! また一緒にどこかに遊びに行こうよ!!」
日向「……ああ」
そうだ。名残惜しんでる場合じゃない。今度は俺の方から七海を遊びに誘ってみようと決意しながら、俺達はK市を後にしたのだった。
(ゾロ目だったので話しを長くしました)
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