デジタルモンスター研究報告会 season2 後編
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◆VLsOpQtFCs
[saga]
2024/01/08(月) 10:40:50.67 ID:SgLli2Cdo
我々がデジタルワールドやデジタル空間の可視化に使用しているソフトウェア…
デジクオリア及びデジドローン。
その開発元であるカンナギ・エンタープライズは、特定勢力に対して贔屓することはなく、冷遇することもないと明言している。
すなわち、クラッカーとセキュリティの戦いに対し、どちらかの味方につくことはなく、デジクオリアの販売規制やライセンスの剥奪をすることはない、ということだ。
何故なら、何が正義で何が悪かは相対的なものだからだ。
もしもカンナギが「セキュリティ側に加担する」と宣言した場合、仮に『武力攻撃をして多数の人々を苦しめている独裁国家に対して、革命家がデジモンを使ってサイバー攻撃する』というケースが生じた際に、カンナギは独裁国家のセキュリティを保護し、革命家を規制しなくてはならなくなる。
そういったジレンマに振り回されるのを防ぐために、最初から誰にも加担しない…と立場を表明している。
もっとも、立場上加担しないというだけで…
CEOの神木さんは、ギリギリ贔屓にならないラインで我々に協力してくれている。
そんなカンナギが、ただ一つだけ。
彼らが明確に敵視している存在がいる。
「デジクオリアを不正コピーして使用する者」だ。
その対策として、デジクオリアには特殊なコピープロテクトが仕込まれている。
不正にコピーされたデジクオリアがインストールされた場合、その端末のデジモン伝送路を乗っ取って強制的にカンナギ・エンタープライズ・ジャパンの極秘のサーバーに接続される。
そして、執行者こと赤いオタマモン達が送り込まれて、端末内部のデジタル空間に放火してシステムを攻撃するのだ。
尚、どこをどの程度燃やすのかは完全にCEO神木氏や、その秘書の岸部エリカ氏の匙加減次第だ。
完全に破壊し尽くすこともあれば、ちょっと灸を据える程度で済ますこともあるだろう。
…この仕様は極秘事項であり、知っているのはカンナギの極一部の上層部と、私とクルエだけだ。
…クルエはこの仕様を逆手に取ったのだ。
あらかじめ電話でカンナギへ事情を伝えた上で、スパコンの高速演算能力を使い、デジクオリアの不正コピー品を作成し…
我々のネットワークに接続された端末へインストールしたのだ。
それによって、AAAに掌握されていたデジモン伝送路を、さらに上から乗っ取った。
マルウェアに支配された伝送路のコントロールを、正規の方法で奪還できないなら…
別のトロイへ伝送路を奪わせてしまえばいい。
この裏技によって、クルエはAAAが繋げてきたデジモン伝送路を遮断したのだ。
なんてイリーガルな手だ…
私には絶対思いつかない発想だ。
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