デジタルモンスター研究報告会 season2 後編
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645: ◆VLsOpQtFCs[saga]
2023/11/26(日) 20:49:32.76 ID:EHFw9EIrO
『…そういうことか。分かったよ』

そう言ったのは…
スポンサーさんだった。

『おそらくこの個体は、野生のモリシェルモンだね。貝殻に苔が生えている』

あ…
よく見たら確かにそうですね。
色々あって気が動転していたせいか気づきませんでした。

しかし、どうして野生のモリシェルモンがここに…?

『簡単な話だよ。クラッカーはデジタルを開き、野生のモリシェルモンをここへ呼び寄せた。ただそれだけのことだよ』

呼び寄せた?
どうやって…!

『野生動物を呼び寄せる方法なんてそう難しいことじゃない。餌を設置して、おびき寄せればいいのさ』

餌…
まさか。

『彼らはモリシェルモンの大好物である粘菌デジモンを飼育しているんだろう?それを餌にしてモリシェルモンをおびき寄せ、デジタルゲートをくぐらせて…、ここへ送り込んだ、ということだろうね』

…はい?

『何か筋が通らない点があったかね?』

……………………。
理解はできます。
できますが…………。

私では、思い至らなかった。その可能性に。

余りにも…
あまりにも、ひどすぎる話じゃないですか。
そんなのは。

『クラッカーが我々のセキュリティデジモンを暴力で排除したならば、極論を言えばクラッカーが自分で強力なデジモンを飼育する必要すらなかったんだ』

…。

『強力で凶暴な野生デジモンを、我々のデジモンにぶつければ、目的は果たせるんだ。別に指示を聞かないデジモンだろうが構わない。「目の前のデジモンを捕食しろ」なんて、命令するまでもないだろうからね』

我々が、ファンビーモンを育てて本能のままに暴れさせたという戦術を…
クラッカーはさらに悪辣なやり方で、やり返してきたってことですか。

『…とんでもない奴らだねぇ』


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